この物語は、最初から「全100話で完結する」という前提で構想していました。
区切りを決めておくことで、物語が必要以上に膨張することを防ぎたかったからです。長く続けることはできますし、続けようと思えばいくらでも続けられる形式でもありました。しかしそれでは、「終わりを持つ物語」としての密度が薄れてしまうと感じていました。
100という数字には、特別な意味があるわけではありません。ただ、人が一つのまとまりとして受け取れる“長さ”であり、同時に積み重ねとして実感できる“重さ”でもある。そう考えたとき、この物語にとって最も自然な器が、100話という形でした。
書き始めた当初から、結末の方向性はぼんやりと決めていました。ですが、その過程――登場人物たちがどのようにそこへ辿り着くのかは、必ずしも固定していませんでした。むしろ、書きながら変化していく部分の方が多かったと思います。
それでも最終的に、100話という枠の中で、彼らの時間を一度手放すところまで辿り着くことができました。
終わりを決めていたからこそ、迷うことができた。
終わりがあったからこそ、途中で揺れることができた。
そういう意味で、この「100話」という制約は、制限であると同時に、物語を成立させるための支えでもありました。
ここで一度、物語は区切りを迎えます。
ですが、彼らの時間が完全に終わったわけではありません。読んでくださった方の中で、どこかに残り続ける限り、この物語は別の形で続いていくのだと思います。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。