帝釈天様こと天ちゃん。
月ノ城の主こと天ちゃんの仕事は、月に還ってきたうさぎの魂を選別し、魂を巡らせることです。
しかし、そんな天ちゃんですが、遥か昔……月での仕事を抜け出し、一度だけ地球へ降り立ちました。
何か面白そうなことを探していたところ、とある森の中でサルとキツネ。そしてウサギの3匹が、どうすれば徳を積むことができ、神様へ近づけるのか……といった話をしているのを耳にします。
遊び心で、その3匹の信仰心を確かめようと、貧しい身振りでしばらく何も口にしていない……助けて欲しい……と演技をします。
それを聞いたサルは急いで木の実を。そしてキツネは魚を取って、帝釈天に振る舞いました。
しかし、ウサギは爪もなければ牙もありません。その為、何も振る舞うことが出来ませんでした。
しかし、そのウサギは貧しいふりをした帝釈天を助けるため、サルに火を起こさせた後、その火の中に飛び込みます。
そう……自分を食べてもらうために……
帝釈天は、自分が軽い気持ちで首を突っ込んでしまったことで、結果としてうさぎを殺してしまいました。
帝釈天はウサギの信仰心の高さと、己がしでかした罪悪感により、この気持ちを忘れぬよう、月にウサギを投影させました。そして、殺してしまったうさぎの魂をずっと探し始めたのです。
何年も何十年も何百年も。気の遠くなる時間を……。
最終的に、はるの魂が殺してしまったウサギの魂である事が分かったため、帝釈天は、はるの無茶なお願いを聞くことにし、はるのことを常に気にかけるようになったのです。