本作を読んでくださりありがとうございます。 物語の中で、ねむたちが手話で話すシーンについて、少しだけ執筆の話を。
本来、手話は「手の動き」だけでなく、「口形(口の動き)」や「表情」がセットになって初めて意味を成す言語です。 ですが、小説の中で毎回「眉を上げて」「口をすぼめて」と描写しすぎると、文章が説明的になり、会話のテンポが悪くなってしまいます。
私は、ねむたちを「障害者」として描くよりも先に、**「今を生きる元気な中学生」**として描きたいと思いました。 だからこそ、彼女たちの手話セリフは、あえて健常者が話すのと同じトーン、同じスラング、同じスピード感で「翻訳」して書いています。
実は手話って、手の動きだけじゃなくて**「口の動き(口形)」や「表情」**がものすごく重要なんです。
例えば…… 「今日(きょう)」と「今(いま)」。 これ、手の動きは全く一緒なんです(両手の手のひらを下に向けてグッと下ろす動き)。 じゃあどうやって区別するかというと、口で「きょう」と動かすか、「いま」と動かすかだけ。
だからこの物語では、彼女たちの豊かな表情や口の動きも含めて、**「音声言語としてのセリフ」**に超翻訳して書いています。 彼女たちが毒舌を吐いている時、手元は美しくても、顔はすごい。とになっているかもしれません。 そんな想像もしていただけたら嬉しいです。