怒りには、大きく分けて三つの種類が存在すると考えられます。
第一に、「物理的攻撃を受けた際の怒り」です。これは生命や身体的安全が脅かされる状況において発生するものであり、自己防衛のために生じる自然で合理的な反応といえます。
第二に、「言葉による心理的攻撃を受けた際の怒り」があります。この場合の怒りは、身体的な危険こそ伴わないものの、人格や感情への侵害に対する反応であり、一定の理解は可能です。
ただし、必ずしも正当化されるとは限らず、状況や受け取り方によって妥当性が異なります。
第三に、「自分の思い通りにならなかったことに対する怒り」があります。
たとえば、「自分が望んだ行動を相手が取ってくれなかった」「相手が自分の期待どおりに動かなかった」といったケースです。
この種の怒りは、自己の価値観やルールを他者に一方的に押し付けることによって生じるものであり、相手から見れば理不尽かつ迷惑な感情表現となりがちです。
問題なのは、この第三の怒りが、しばしば「正当な怒り」であるかのように当人によって誤認される点です。これは、自己の内的欲求や規範を相対化する力。
すなわち内省的知性の欠如によるものと考えられます。