カクヨムを始めて、数日になる。
なんとなく自前の小説を投稿し、ふらりと立ち寄り拝読した作品へレビューを残したり、フォローしたりを繰り返してみた。
それに呼応するように、ぼく自身もいくつかのレビューやフォローをいただいた。血のかよった言葉は反応が、これほどまでに嬉しいのかと感嘆した。
ただ、この感嘆はこれまで覚えたそれとは違い、なんとも澄んだ清涼感に満ちたものだった。
元々、ぼくはコミュニティへ属することがあまり得意ではない。文芸の集まりなども、最初こそ隷属による一体感のようなものに魅せられたりもしたが、それが却ってわずらわしくなり、興が乗らず、次の日にはスッと消えるという、なんとも失礼な落伍者っぷりを示してきたのである。
そんなぼくが、なんやかんやこのカクヨムに通いつめるのは、グループやサークルの類いは存在せず、浅く希薄なつながりでありながら、同じ表現者であるという強い共感を、互いを傍観者として安全な対岸から覚えられるという、言うなれば責任のカケラもない空間だからである。
責任のカケラも脳裏を掠めることのない空間だからこそ、レビューやコメントはエグ味のない清涼感に満ちているのだろう。
なので、ぼくはフォローしている方への責任をまるで持たない。ちらりと読むだけだったり、熱を持てばレビューに筆が走る。なんとも気まぐれなのである。
ただ、この距離感が心地よい。心が沈み、暗澹とした空を見上げても、どこかにほんの少しでも互いに琴線を触れ合った人間がいるのだと思うと、活力が湧く。なんなら、もうここの存在意義は、これで十分ではないのだろうか、と思う。
皆さまの今後のご活躍をぼくは、うっすらとお祈りしております。
なんとも希薄で、吹けば飛ぶような、か細く脆いカクヨムユーザーたちへ、最大限の感謝と愛をこめて。