国内大会を制し、海外リーグにも呼ばれる天才ゲーマー・凪野《なぎの》ユウ。
決勝戦の最中、
彼にかけられた「公開処刑」の金額が――1,200万円へ到達した。
巨大スクリーンに流れたのは、2年前の大会映像。
凪野が席を離れていた、わずか47秒。
その47秒間に、
“誰も操作していないはずのキャラクター”が敵を倒していた。
替え玉。
不正。
八百長。
一瞬で、天才の全戦績が疑惑に変わる。
――だが、BAKUが暴こうとしていたのは、それだけではなかった。
『凪野ユウは「探せ」とは言ってない。便利だよな。人気者は自分で命令しなくてもファンが勝手にやってくれる』
次に映されたのは、
かつて凪野を批判した男の家だった。
住所を特定した者。
現地へ向かう者。
すでに最寄り駅へ着いた者。
凪野は初めて知る。
自分が軽くあおったその先で、
誰が、何をしていたのか。
そして被害者の避難が完了した直後、
BAKUの接続先が切り替わる。
表示された施設名を見て、
凪野の顔色が変わった。
「……そこ、俺の配信室だ」
47秒の疑惑。
暴走するファン。
そして、凪野ユウのすぐ近くまで侵入したBAKU。
勝ったはずの決勝戦は、
彼にとって最悪の試合開始にすぎなかった。
第11話 1200万円で「天才」は剥がれる。47秒後、ファンが人の家へ向かった
https://kakuyomu.jp/works/2912051605700470697/episodes/2912051605772187913