私、農家の嫁としては出来損ない。
農作業が、出来なくなりましたので。
昨年、自宅の庭で転倒し、恥骨を骨折して、入院2ヶ月。
天井を見る体勢での寝たきりの2週間は、本当に辛かった。
人生で初、オムツに排尿排便をせねばならない事態になり。
だがだが、
はっきり意識がある状態での排尿排便は、どんなに頑張って集中しても、出なかった。
結果、導尿・浣腸摘便のお世話になった。(看護師さんお手数おかけしてすみません)
『1歩を出す』という行為が、こんなにも難しい事なのかを、痛みと共に経験した。
『本当にまた、歩けるようになるのか??』本気で不安だったが、リハビリのおかげで、歩行は出来るようになった。
松葉杖をついて歩行が可能になって、やっと退院できたが、数日して、今度は尾骨に痛みが走った。
骨盤周辺の骨折後の、尾骨の骨折は”骨粗鬆症”でお決まりの”次々骨折”の始まりだった。その後も、尾骨は、治っては折れを繰り返した。杖に頼る歩行となった。
骨密度は、重症骨粗鬆症だった。(体重計の骨密度測定を信じてはいけない)
杖使用の後遺症か、左手首が痛み、痺れ、自由に動かせなくなった。
やむなく、この夏、左手首の骨を手術した。
そして、秋の栗の収穫時期を迎えた。
転ぶと、折れる、骨。を持った私。
左手の骨は、プレート固定で未完治の為、骨折に近い状態。
手首靭帯は損傷しており、要治療。
栗は、山間地の急斜面に植えられている。収穫作業は、登山と同じ。
見渡す辺り一面、栗林の中での収穫作業。足場は最悪。
やむなく、収穫作業には加わらず、家族の為の食事準備と、選別作業の担当に徹する事となった。
骨折状態で、手首靭帯が損傷中の食事作りは、なかなかに痛い。
選別作業でも、気を付けていても、ふいにぶつけて悶絶。
それでも、残暑厳しい中で、キツイ収穫作業をする家族に、おいしいご飯を作ってあげたい。と、思う。
義両親がまだ健在なことが、嬉しい。
義姉妹とその家族が応援に駆けつけてくれる事が嬉しい。
以前、農作業の合間をぬって家事をこなしていた時期のご飯作りは、苦痛でしかなかった。
男は農作業が終われば、座って一杯できるが、
女は、農作業後にご飯作り、子供の世話に、片付けに、と座る暇もない。
平日は仕事に行かねばならないし。
今回、午前の収穫作業を終えて、昼ごはんを食べて、昼寝している家族を見て、
このスタンスは、今の私にちょうどいいかも
そう、思った。
以前なら、家族が昼寝している間に、昼食の後片づけして、終わってすぐにまた農作業だったから、休む暇もなくて、かなりハードだったから。
農作業が出来ない、長男の嫁で、肩身が狭かったけど
今の私に出来る事をしよう、と開き直れた。
農作業が出来ない長男の嫁ですが、これからもよろしくお願いします。