母「こらー、お父さんにも行ってきます言いなさいー!」
娘「パパ行ってきます!」
音(カチカチ
光(チカチカ
パパの声「いってらっしゃい、由有、だーいすき。」
ドア(ガチャン
ーーーー その夜
深夜
ドア(ガチャン
由有「ただいま」(小声
音(カチカチ
光(チカチカ
パパの声「おかえり。早く寝なさい。」
由有「うん。」
パパの声「おちっちは?」
由有「⋯。」
パパの声「した?ほんとに?」
由有「⋯。」
部屋の明かりを消す。
光(チカチカ
由有(チラッ
写真立てには、幼稚園の制服を着た自分と微笑むパパが写る。
光(チカチカ
パパの声「由有、今日誰のお布団で寝る?」
由有(お化粧落とさなきゃ、明日も早いし)
由有「お父さん、あたし、もう子供じゃないんだよ。お父さん。」
光(チカチカ
仏壇の中、写真立ての横で
位牌が光っていた。
パパの声「由有、ぎゅーしていい?」
由有「だめだめだーめ!パパおヒゲあるもんーーー」(プッ
由有「パパ、いっつもそればっかり。」
由有「パパ。」
由有「あたし、こんなにおっきくなったんだよ。」
「パパ、パパ、」
「あたし、もう、子供じゃないんだよ。」
位牌(チカチカ
ーーーー
AI位牌
自動的に学習データを取得する装置を常に身につけて生活することで、
自らの死後も、残された人を支え見守り続ける人工知能になることができる。
そんな安心が、普及していた。
おわり