今晩は。
以前からの連載が滞っておりましたが、第七話を終えました。
『ウーメレ』の正体、お気付きになられましたでしょうか?
タルノス国での夕食会で起きた騒動で、心や精神的苦痛に耐えていたマナは、悪い幻『ウーメレ』を見てしまいます。
最初に支えてくれたのは家族でした。
マナが見た悪い幻は、私達現代でも実際の症状としてあります。
『解離性』という疾患です。
マナはタルノス国の夕食会で何もかも信じる気持ちが深く傷付き、更に全て誤解であっても決して拭い去ることが出来ないとわかってしまいます。本当のことを話すのは自分を信じて、受け入れてくれる家族や兵士達がいたから何とかなります。でもこれは現実では良い方なんです。何もかもが自分の意図した事実とは違うことが世界中に知れ渡る恐怖と不安で、現実感が喪失してしまい、離人感も生じてしまいます。
全く違う自分を目の前にするのは幻ではなく、あまりにも強いトラウマや強いストレスを受け止めきれず、アイデンティティ(自己同一性)・記憶・意識・感覚を、一旦でも一時的でも分離・分断する心の防衛反応が働き、自分から切り離そうとして起こります。
さて、マナが全て取り戻していく時のエピソードが次回の第八話です。
第八話では、チェルエが塔の監視を以前から続けている時に、東の塔の配属はマナからの『最善策』を告げられ、東の塔での任務を始め、そして続けています。
まだマナは本来の自分を取り戻せずに、チェルエとカナティ、そしてリトナの誰かと一緒にいます。逆に言えば信頼できる家族はマナには三人だけです。
遠征に向かった兵士達を何とか帰還させることに奔走している最中です。
けれどチェルエはマナを治したい一心で、東の塔へ誘ってマナも一緒に連れていきます。
けれどその時に大勢のヴィセ国民が危険な目に遭います。
チェルエとマナ、そしてカナティは出来る限りの判断と共に、三人で助けようとします。
マナとチェルエは機転を利かせて国民と兵士達と城を見渡せる東の塔で国民の救出を試みます。カナティも素早い対応をします。
それでも終わりが見えない土地への遠征となると、カナティとチェルエがどうしても頼りになるのは指揮官のマナです。
いつも綺麗で壮観なヴィセ大草原を超えて、約四万人の兵士達が遠征中でも、人が怖くなくなっても、今度は『誰に対しても気配りや心配』をし始める優しいマナに戻って行くエピソードです。
マナが回復していく時に、大きく協力してくれるのが、カナティとチェルエ、そして兵士達です。王妃リトナは立場上、城から出られず、遠征にはもちろん様々な要請をします。
それでも兵士達の直属となるマナを始め、カナティとチェルエは兵士達として任せていますが、さすが母親という理由があります。
毎回が生死を分ける思いをして帰還する兵士達。
その城塞都市ヴィセの内側に残った兵士達が今、出来ること。
それが、三人の家族だけではなく、マナが信じる大勢の経験豊富な兵士達です。
その中でとても大きな存在となる兵士達がいます。
他国では傭兵部隊に所属していたキュード・ケル・バラク達、そしてマナから王室直伝の双剣士の技を受けた、兵士の修練所の兵士達。
もちろん、既に指揮官の立場にいるマナですが、帰還させる為に苦難しても帰還させるエピソードでは、約四万人というヴィセ国で半数近い兵士達が、マナにとってまだ見ぬ土地で既に怯えながらも戦いを続けています。
マナには何もかも知り得ない場所に向かった兵士達と、離れ離れになってしまいます。
ヴィセ国の兵士達はマナにとって恩恵を授かった恩人達です。
誰であっても帰還させない訳にはいきません。
けれどそれは時間の問題。
その為にカナティとチェルエも名案を出していきます。
マナは冴えわたる即決即断の指揮官として、まずは城塞都市ヴィセの内側に残った兵士達に、遠征に向かった兵士達の為の救出作戦を練り上げ、八百年間途絶えていた指揮官、マナの初めてとなる全兵士達に命令を下します。
次第に元カーシャ軍兵士達が何故ヴィセ国に攻め入るまでに至ったのかも垣間見えて来ます。
同時に脱走した元カーシャ軍兵士達が、王妃リトナの身の危険になってしまいます。
カナティとチェルエ、そしてヴィセ国兵士達とマナが、王妃リトナを救うべく、元カーシャ軍兵士達にヴィセ国内で対抗していきます。
ヴィセ国が秘めた城塞都市ヴィセの異常なまでの造りとその謎。
最高指揮官と双剣の使い手のマナが、王妃リトナの救出作戦として、どう元カーシャ軍兵士達に打って出るのか?
全て受けた恩恵を忘れずに、マナの頭脳は救う為の判断に変え、新たに任命された近衛兵士達と、近衛兵士達を含む特任任命兵士達も加わり、ヴィセ国の為に相手の命は決して奪わずに次々と手を用いていきます。マナが書物庫で判断した『五か所』の意味も、マナが元カーシャ軍兵士達を見据えていた理由になっていますが、元カーシャ軍兵士達は思った以上に手強いです。
もともと首謀者はヴィセ国ではなく、既に動いていました。
首謀者はいつ、何処で、何をしていて、そもそも何人なのか?
その把握が出来るのは城塞都市ヴィセの異常な造りに関係していました。
元カーシャ軍兵士達に、城塞都市ヴィセの内側の全兵士達が立ち向かいながら、次第に動きが見えてきますがそれが首謀者の思惑通りとなっていきます。カナティとチェルエとマナは兵士達と戦いながら記憶を辿っていきながら戦うことになります。
ヴィセ国建国以来の総力戦です。
マナと近衛兵士達は力の限りマナに命懸けで戦います。
近衛兵士達の役目と率いるマナの役目。
マナは王家の剣と兵士の剣を最大限に発揮していくと・・・見つけました。
特任任命兵士、六人とマナの腕の見せ所になります。
更にカナティとチェルエも王族として、家族として、マナ同等の実力を発揮していきます。
それは今の王族では、最たるマナがなった王家の剣の使い手と指揮官が共に任される、マナの真骨頂を発揮します。
ヴィセ国の実力者が何故『奇守姫』と呼ばれるのか?
『奇守姫』という異名の由来は、いつ、誰が、何をした、理由で呼ばれ始めたのか?
やがて『奇守姫』とマナのエピソードになっていきます。お楽しみに。
作者・カンガエル(?)