その1を踏まえると、
その2は「剣を抜く」時がマナの決意の時。
でも『剣を鞘から抜く』ようになるには、剣を持つ前/持たない時はどうい
う時だろう、と。
それが、その2です(幾つかのパターン有り)
「心の傷から始められる」
という時です。
自分の苦悩や葛藤の中から出た後も、城に入ります。
王家の剣の使い手は、はじめは建国記念日に王室内で密かに行われていた、剣のみで命は奪わない決闘のようなものが八百年間。ずっと毎年総当たり戦で行われていても、武器が大嫌いな第七王女はたった4歳。
最後に振り下ろされたのは、父親の剣でした。
父親の剣から助かりたくて、大嫌いな剣を手に取って弾き飛ばした。
剣には剣で返した普段はとても優しい王女、になった時です。精神的身体的に倒れて自室に籠るようになりました。
ヴィセ国は第七王女マナには求心力が現れてきます。
優しくても、護ろうとする。そう決めたら双剣の使い手になっていった王女マナに変わります。
多く傷付いた4歳には多民族国家のタルノス国の夕食会に招かれます。
タルノス国は建国から二年でした。
タルノス国国王陛下は国王陛下バナス、王妃リトナ、第四王女カナティ、第五王女チェルエ、第七王女マナを招いていたのには、理由がありました。ヴィセ国国王陛下にはまだ気付いていませんが、リトナ、カナティ、チェルエ、マナには全く違う共通点がありました。
それが国民からの本当の信頼です。「必ず助けるヴィセ国」と呼ばれているヴィセ国でリトナは子供達を支え続けて、カナティは即行動するけど最初のうちは他国の理解と自国の理解の為に、食文化を王室料理人から学びます。
チェルエは弓の扱い方が秀でた為、一人で身分を隠して国境沿いの村に住むと、待っていたのは弓が主体の狩猟暮らしでした。マナは城塞都市ヴィセの中を城の小窓から眺めていても、妬みなど持ちません。
マナにも招待状が届いた時に、タルノス国ではヴィセ大草原に囲まれても、八千年間ずっと平穏でした。その平穏な暮らしが厳しいヴィセ大草原で成し得ている知恵を教えて欲しい、と書かれていました。
でも、それはマナだけではありません。ヴィセ国なら誰でも答えられる質問だったんです。
けれどその夕食会でテーブルマナーの慣習を他国から誤解されて、大勢から嘲笑を浴びてしまいます。
まだ4歳のマナには大き過ぎる、誤解でした。
夕食会会場までの道のりでマナが見たのは招待状が届いても、笑顔で右手も左手も誰でも自由に利き手を使って暮らして、幸せそうに過ごしていた光景です。夕食会会場でマナが疑問に思います。
「どうしたら幸せな姿で暮らせるのか?」
ヴィセ国の自分達とは違う幸せや平穏がタルノス国で見つけてから、そう自問自答を繰り返します。
マナは拒絶したヴィセ国の王室の慣例にも理解してきます。そして答えを出しました。
「今までのヴィセ国以上に、世界中に一番赴く兵士達にも犠牲者は出さない自国の人達への『助ける』だけでなく『救い出す』ことを目指して生きていくこと」でした。
そして兵士を鍛える兵士舎に一人入ります。同じ視線の兵士達からも学びます。
「遠征中に無法地帯で置いてきぼりになった弓兵士レーデの母親、リサーナ、つまり兵士達の家族や兵士達を、自分が入舎することで救えないだろうか?」と願って入舎します。
マナは拒絶を克服出来ましたが、リサーナのような兵士達の家族を大切にして、救出を今度は実現可能にしていきます。それは書物庫で学んだ全てでした。
けれど、そんな時「怪盗ウーメレ」はたった一言で人々を絶望させると聞き、それが今までずっとヴィセ国の周辺諸国で目撃されて、ヴィセ国で足取りが途絶えたこともわかっていました。
全て先手を取る指揮官に登りついたマナは、王室最高峰の速さを誇る双剣の使い手になっていきます。
ヴィセ国の疫病にはチェルエ(「弓姉さん」)とカナティ姉(「料理長」)、そしてリトナが全力で救います。
その時に、すでに病から別の姿に見えてしまう自分、「ウーメレ」をヴィセ国でいずれ近衛剣兵士になるロークと追い詰めながらも、「ウーメレ」さえもマナの王家の剣、処刑の為の「断罪の剣」を使って罪滅ぼしをして受け入れます。
マナが「憎む気持ちがわからない」と言ったのは理解に苦しむことではないのではなく、幸せは憎む気持ちがあっても慈しむ気持ちを選択することだと気付きます。マナは「ウーメレ」は選択しなかった自分が、戻りたくても戻れない自分の絶望の中にいたかも知れない恐れからの姿、だと知っていたからでした。
それはマナだけではなく大切な「何かを恐れることで、むしろ安全な方へ自力で向かって生きていけるから」だと思うようになります。
そして王家の剣で罪滅ぼしだけでなく、「心の傷から始められる」と更に自己理解を深めた心の中の移り変わりでした。自分を最後に心の傷から救い出すのは、抜け出した姿が「ウーメレ」となっていったことを知って受け入れる覚悟だと思い、そして心の傷から救い出したら、本来の自分を取り戻せた時でした。
傭兵からヴィセ国に辿り着いた、キュードは瀕死で、マナ達が気付いた時「死に場所だけでもういい」と言いますが、子供が広場で転んでも泣き止んで立ち上がっているキュードは本当はとても温かくて優しい戦士だと気付きます。それにキュードは子供はまた痛みがなくなれば、笑顔になれるのが一番嬉しいと思う王女に会った時に、本来生きようとして傭兵になり、疲弊して死を受け入れたくなってしまった自分達にした権力者達を、マナを君主とするヴィセ国の兵士に治療をしていく中で誓います。キュードだけしか成し得ない「極限状態の戦場では、ごく普通だという、敵味方関係なく武器を振るう兵士になってしまう。その時は必ず自分なら止める方法がある」と言ったところ、マナにはあの父上の振るった剣がよぎります。けれどキュードはマナがまだまだ平穏しかないヴィセ国の王女だと思っていましたが、すでにマナは「ウーメレ」も乗り越えていました。マナには恩を一生返し続けたいキュードはマナという王家の双剣の使い手で、王室最高峰の速さの剣士でも止められない極限状態の戦場で唯一の手段を知っていたにです。それがキュード達しかない経験でした。
けれど、また他の場所に支援の為に遠征に向かう兵士達は、国王陛下バナスの王令が四日前に突如、下されてしまいます。国境沿いにいたマナが城塞都市ヴィセに急行すると、国王陛下バナスと既に誰かが密談をしていました。
その時、遠征中の兵士達はマナの「救い出す」帰還の為の初命令が前もって下されます。
カーシャ軍が全方位進軍の作戦を執り、侵略する時まで一年の時でした。
(第九話含む)