アケミ
二十二歳。浅草六区で働く娼婦。
派手なモダン・ガール姿に濃い化粧、口数も多くてかなり調子のいい女性です。
迎初瀬とは関東大震災の直後からの付き合いで、今では実の妹のように可愛がっています。
そして初瀬の「失せ物探し」のかなりの常連客でもあります。
何かを失くすたびに初瀬に頼めばいいと思っている節があり、近頃では自分で探すことすらあまりしなくなっているとか。
彼女自身にも少し変わった能力があります。
人間の気質が、色や波長のようなものとして見える。
性格や感情だけでなく、その人が疲れているのか、心が傷ついているのかといったことまで、ある程度分かります。
震災前は丸の内の印刷所で働いていて、結婚を約束した恋人もいたようです。
得るものもあれば失うものもある。自分はただ、その時その時を生きてきただけ。
そんな風に考えているようです。
そして初瀬にとっては、浅草で出来たもう一人のお姉さんのような存在です。