はじめまして! Saida(さいだ)と申します。 小説投稿サイト「アルファポリス」と「カクヨム」で活動しています。 駆け出しの小説家ですが、何卒よろしくお願いします! 〇主な書籍化作品 追放された神官、【神力】で虐げられた人々を救います!女神いわく、祈る人が増えた分だけ万能になるそうです (1~3巻 アルファポリスより発売) 異世界から来た魔族、拾いました。 うっかりもらった莫大な魔力で、ダンジョンのある暮らしを満喫します。 (2023年12月 電撃の新文芸より発売) 〇主な活動歴 2022年5月頃 小説投稿サイト「アルファポリス」にて小説投稿を始める。 2022年10月 第15回ファンタジー小説大賞にて、「癒し系ほっこりファンタジー賞」を受賞 2023年5月 第8回カクヨムWeb小説コンテストにて、現代ファンタジー部門大賞を受賞
春は素晴らしい。 鼻孔をくすぐる沈丁花の香りに弾む君の笑顔を、桜が讃える。 夏が待ち遠しい。 僕の名を呼ぶ君の声に、蝉時雨も蚊帳の外へと消える。 秋が待ちきれない。茜色の空を眺める君は灯火のように儚く、美しい。 冬は 「お前、何気持ち悪い文章書いてんの?」 はんじょう!? え、どうして?いつの間に? 「いや、ここ楽屋だろ。台本読んでんのかと思ったら気持ち悪りぃ。春だの夏だの、お前引きこもってるから分かんねえだろ。」 はんじょう、それは文学に対する冒涜だよ。 「好きな子でも出来たのかよ。」 そ、それは。 「まぁいいや。ほら、リハーサルの時間だから行くぞ。」 楽屋から去る背中に言葉は出ず、溜め息と共に紙は丸めて窓から投げ捨てた。 春風に乗り紙屑は青空を舞う。 2人の恋の行方は、捨てられた紙屑はどこへ向かうのか。 おにやの本当の気持ちを唯一知る紙屑にもその行方は分からない。 冬は忘れない。はんじょう、君が産まれた季節だ。
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