あらすじ:
翠の国は百数十年、鳳穐と旺厦という二つの氏族が国の支配をかけてを争い、現在は鳳穐の頭領・ヒヅチ が治めていた。ある日、ヒヅチは幽閉してきた旺厦の頭領・薫衣(クノエ)と対面する。互いの親は「相手を殺せ、根絶やしにせよ」と遺言を残し、生まれた時から「敵を殺したい」という欲求を植えつけられた二人の王。しかし、彼らが選んだのは最も困難な道、「平和」だった。国の未来を憂う気持ちが過去のしがらみを断ち切る。だが、その道は想像以上に厳しいものだった……。
◇
この国の指導者が拠って立つ思想は、「みちびく者」の学問、という意味の「迪学(じゃくがく)」で、『廸く者としてあることの一番の困難は、なすべきことをなすこと自体でなく、何をなすべきかを見極めることにある』
飴と鞭を使い分けて、家臣や国民を先導していく ヒヅチ の苦悩が描かれ、とても関心を惹かれました。
夏休みの感想文に、とてもお薦めします(*'▽')/