派手な恋は書きません。 言葉にならない想いが、指先や、交わせなかった視線や、誰かの遺した器に宿る——そんな瞬間を掬い取りたくて書いています。 世界から見落とされた人が、自分を本当に見てくれる誰かと出会う。その一点を、ずっと書き続けてきました。 わたしにとっては、どんな物語も、つきつめれば恋愛物語です。 怪異でも、あやかしでも、事件でも——その奥にあるのはいつも、たった一人に見つけてほしいという願い。 だから声高に説明するより、湯呑みを置く手の迷いや、ふと止まった足音に感情を託したくなります。 読んだ方が、意味を理解するより先に、なぜか胸が締めつけられている——そんな書き方を、いつも探しています。 はじめましての方には、まず短編『同じ本棚に並ぶまで』を読んでいただけたら嬉しいです。 すれ違い続けた二人が、ようやく同じ棚に背表紙を並べるまでの物語。わたしの書く恋の手触りが、いちばん静かに伝わる一編だと思っています。 そしていま、最新作『金継ぎ椿は、器も恋も繕いたい 〜物の声を聴く小町娘と、怪異を解く若様。身分違いの両片想いは江戸を巡る〜』を7月より連載開始すます。 割れた器を金で継ぐように、人の心の傷も、繕えば前より愛おしくなる——物の声を聴く娘と、怪異を解く若様の、身分違いの両片想い。 江戸の市井を舞台にした恋物語です。「ときめく小説大賞」に向けて綴っていますので、どうか最後まで見届けてください。 連載中の『月夜の大神と対魔刑事と』も、月夜に獣と化す男と、彼を見てしまった女刑事の、声をひそめた恋を書いています。組織を裏切ってでも、その手を取るかどうか——。 想いを叫ぶより、湯呑みを置く手の迷いで伝えたい。そんな抑えたトーンを、これからも大切に書いていきます。
史上最も「かっこいい」「かわいい」を見せつけ続ける文豪王、それが私こと天廻月媛
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