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ろくでなしspace journey:画像⑪(『惑星U101⑫~惑星C66、カスタマイズまで』)

上段左:『惑星U101⑫了』その場を立ち去り間際、君は不意に何か奇妙な気配を感じた。空に何か大きなものが、とてつもなく大きな何かがいる気がした。君は振り返る。水膜が大きく割れ、そこから宇宙の闇が見えていた。「な、なんだありゃあ……」君は呟く。驚きすぎて言葉が出てこない。視線の先には巨大なクラゲのような何かが空を揺蕩っていた。宇宙クラゲなどとはワケが違う、もっととてつもなく巨大なクラゲのような何かだ。君が呆然とそれを見ていると、クラゲの様な何かは空に溶けこむようにして消えてしまった。割れた水膜もすぐに元に戻り始め、宇宙の闇を覆い隠していく。まるでクラゲの様な何かが水膜そのものに変じたかのような、そんな想像を君は巡らせる。「宇宙は広いなあ……」


上段右:『惑星C66、帰星』:彼、あるいは彼女は惑星G220を中心としたガス惑星群の出身の外星人である。風が渦を巻いている姿をしており、ミニチュアの竜巻にも似ている。また、歩く際には多少の気流を伴う。彼らの体は固体である核を中心に、ガスと液体の層で構成されている。また、体色の変化によってコミュニケーションを取る。食事は大気中の微生物やエネルギーを含むガスを摂取することによって行う。そして単性生殖を行い、自らの体の一部を分離させて新たな個体を形成する。渦星人は基本的に温厚な気質だが、翻訳機無しで彼らとコミュニケーションを取るのは至難だ。ちなみに彼らに人権を認めるにあたっては喧々諤々(けんけんがくがく)の議論が交わされたと言う経緯がある。


下段左:『惑星C66、帰星』宇宙港周辺は大きな広場となっており、多くの外星人達が客船の出航時間をまっていたり、他文化圏の者達とコミュニケーションを取ろうとしていたり、もしくは単に暇つぶしをしていたりする。空は深い藍色に染まり、星々が瞬いている。前時代と違い、今はその気になれば気になる星があればカジュアルに出かけられる時代だ。──次はどの星に行こうかな。そんな事を考えながら空を見上げると、星系内の各惑星からの宇宙船が光の帯を描きながら港へ向かっていくのが見えた。広場に様々な食べ物を提供する屋台が軒を連ねており、旅行者と思しき外星人たちが列を成して並んでいる。


下段右:『惑星C66、帰星』──宇宙にはしばしば、青い球形の肉が漂っているのを見つける事があります。それは何の肉だか誰も分かりません。しかし肉なのです。とある学者は恒星間生物から剥がれ落ちた体組織だと言います。またある学者は商業用民間船が事故に遭うか何かして貨物が宙域に放流されてしまったのだとも言います。しかし真相は誰にも分からず、また、調べようともしません。青い肉に毒性がない事は解析により明らかになっていますが、結局それが何の肉だかは誰も分からないのです

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