倫敦の重い霧が、今夜は少しだけ、あたたかな熱を帯びているようです。
拙作『倫敦の霧に、白木の杭を。』へ、CuriouSky様より身に余るほどに美しいレビューを賜りました。
ヤードの距離感、ミニムの雫、そして九九九九文字という、私があの物語に課した「呪い」のような制約。その一つ一つを丁寧に指先でなぞるように読み解いてくださったこと、作者としてこれ以上の悦びはございません。
ゲルトルートが手斧を握りしめる掌の汗も、
ジゼルが「偽りの妹」を演じる際にこぼす、凍てついた微笑みも。
それらすべてが、賢明な観測者の瞳に映ることで、ようやく「真実」としての体温を得たのだと感じております。
吸血鬼と狩人。
鎖で繋がれた二人の少女が、夜の帳の向こうで演じ続ける舞台劇。
その幕間に届けられたこの「星」を、私の冷えた胸に、大切に、深く、杭を打つように刻ませていただきます。
CuriouSky様。
硝子細工のような、精緻な言葉の花束をありがとうございました。
霧はまだ、晴れることはございません。
どうぞ、貴方もその深い闇の中に、いましばらく留まってくださいますよう。
https://kakuyomu.jp/works/822139844369172009