小説本文の解説です。
人間の二大特質は、無制限的な想像力と欲求(知性あるいは人間性)であり、
それが文明の両輪である技術と政策を生み出して社会を発展させます。
技術は社会と政策、政策は社会と技術という、他の二つの文明活動に働きかけて、
ロータリーエンジンか三極モーターのように、文明発展のサイクルを回します。
それにより文明が発展すると、人間の二大特質はさらなる向上が可能、
かつ必要となり、発展のサイクルを加速させていきます。
合理的推論から完全な虚構に至る想像力は、
農耕技術(種をまけば実が取れると推論)のような自然科学的技術や、
貨幣制度(貨幣には価値があるとする)のような社会工学的技術を可能にします。
それにより拡大・省力・複雑・加速化した経済・社会活動は、
固定した本能的欲求だけでは営めないので、
人々の欲求を多様化・可変化・高度化させます。
そこからくる社会需要の多様化と高度化は、
現在の技術段階における利害調整政策と、
その限界を突破する次世代技術導入政策を必要とさせます。
新たな技術と政策による文明の発展により、
さらに人間は想像力と欲求を無制限化させ(知性あるいは人間性を高め)る
ことができるようになり、かつ求められます。
それがまた次の技術や政策を可能・必要とさせ、
発展のサイクルは加速しながらも持続することが期待されます。