「生き抜くのに必死なんです。〜パンがないならカエルを食べたらいいじゃない〜」
リゼットは日本人だった記憶をおぼろげに残す11歳の少女。現代日本の記憶を持った彼女は、どこの世界かもわからないスラムの住民として転生してしまったのだ。
前世の記憶、まるで役に立たない。
明日を生きられるかわからないシビアな世界に生まれ落ちた彼女だったが、それでも前向きに生きようとしていた。
貧困で食べ物がないなら狩ればいいと切り替えて、毎日食べられそうなものを狩猟する日々。
最近のブームはカエルを焼いたものだ。カエルは貴重なタンパク源。みんなにドン引きされながらも美味しく命を頂いている。この世界で生き抜くために。
そんなたくましい彼女はある日、評判の悪い領主の娘・キャロラインが気まぐれに開催した炊き出しに参加した。
そこでキャロラインが不気味な独り言を発しているのを聞いてしまう。
──なんと彼女は、この世界を乙女ゲームの世界だと言っていたのだ。
人気のない場所で一人でぶつぶつと溺愛エンドやら公子様やらと呟いていて、正直頭がおかしな人なのかなとリゼットは思った。
同郷の人っぽいけど、危なそうだから関わるのはよしとこうと思い直した。
その直後、リゼットは道端で行き倒れの少年を発見することになる。
その少年はスラムには似つかわしくない美少年だった。
少年の瞳は煮えたぎる憎悪と復讐に燃える。誰もが敵だと言わんばかりに警戒する彼は多くを語らなかった。
彼との出会いは、リゼットにとっても大きな変化の一つになるのであった。
https://kakuyomu.jp/works/16817139557285456954異世界転生・スラム主人公のハングリー精神な物語です。
本編21話・続編30話の全51話。
8/11〜13まで3日連続更新で、以降は隔日更新に切り替わります。基本20時過ぎ更新です。
よろしくおねがいします(●´ϖ`●)