つい先日、相沢幸呼先生の「小説の神様」を拝読する機会がありました。自分で購入したわけではなく、幼馴染からのプレゼントとして頂いたものです。
共感できると思う、と言われて渡されたものの、小説を書く主人公の小説を読んだことがないのであまり実感がわきませんでした。文学少女は読んだことがありますが、あれは小説家云々というよりは本を通しての愛の物語であったと思います。ですから想像がつかないままぺらぺらと捲っていたのですが、自分の予想を遥かに超える素晴らしい作品でした。
上からのような物言いになってしまって申し訳ないのですが、本当に素晴らしかった、の一言に尽きます。自分に自信のない主人公の卑屈具合は、一般の方からしたらイライラするかもしれません。ただ私は共感したのです。
自分の作品を愛せない気持ち。こんな稚拙な文章では何も伝わらない、何も心に残らない。気持ちだけが先走って内容は何も理解されない。周りと比較して自分の文章の拙さに目を覆いたくなるほどの苦しみ。
言葉がいちいち刺さって痛いのに、ページを捲る手が止まらない。酷く共感して、読み進めていくうちに目頭が熱くなりました。
私にこの本を贈ってくれた幼馴染もまた物書きで、同い年とは思えないすごい話を作る人でした。「小説の神様」と立場も似ていたのだと思います。尚更入り込んで感動しました。
小説を書いたり、物語を作る人には是非読んでほしいと思う作品です。小説を何のために書いているのかわからなくなった時に読み返せば、答えに似た何かを得られると思います。
自分にも自分の作品にも価値がないと考えてる方にこそ読んでほしい「小説の神様」。皆様是非とも!