『銀の司教は祈らない ― Deus Tacet ―』をお読みいただきありがとうございます。
ごあいさつが遅くなってしまいしたが、第6章の「癒やしを拒む英雄(後編)」が終わりました。
気づくと、16万字を越えるほどになりました。ここまでお付き合いいただいた皆さまへは、心からの感謝をお伝えしたいと思います。
「癒しを拒む英雄(前編・後編)」は、ルキウスがノクと出会ってから初めての巡察のエピソードとして、当初予定では、もっと単純なお話になるはずでした。ですが、書いてみたら、
・カルヴェール男爵の正体
・魔剣の呪いにさらされた母子
「疫病の街」アクイラからの移住者の救済
・教皇グレゴリヌスの思惑
と、4つの要素の絡み合うストーリーになってしましました。ちょっと欲張りすぎましたね……。
ところで、数々のファンタジー作品に「治癒魔法」というものが登場します。
この「治癒魔法」という設定はとても便利なのですが、一方で、あまりに強力な技術であり、社会を破壊してしまうのではないかと思うことがあります。
では逆に、「治癒魔法」が社会を壊さない形で成立するとしたら、どんな姿になるのだろうか? という問いに対して、私なりの考えをこの物語に反映しています。
ルキウスは、「治癒魔法」の卓越した使い手であるにもかかわらず、けがや病気の人がいても、みだりに助けません。もちろん、彼自身は困っている人を助けたい。でも、それを不用意にやったら、社会が壊れてしまう。じゃあ、どうすれば……。
そういう彼の葛藤に、共感していただけたらうれしいです。
2週間のブランクをいただいてしまいましたが、明日9月24日(木)から新章が始まります。
引き続き、毎週月曜日と木曜日の20:00に公開していく予定です。
ルキウスとノクの活躍を温かく応援していただけるとうれしいです。