春は素晴らしい。 鼻孔をくすぐる沈丁花の香りに弾む君の笑顔を、桜が讃える。 夏が待ち遠しい。 僕の名を呼ぶ君の声に、蝉時雨も蚊帳の外へと消える。 秋が待ちきれない。茜色の空を眺める君は灯火のように儚く、美しい。 冬は 「お前、何気持ち悪い文章書いてんの?」 はんじょう!? え、どうして?いつの間に? 「いや、ここ楽屋だろ。台本読んでんのかと思ったら気持ち悪りぃ。春だの夏だの、お前引きこもってるから分かんねえだろ。」 はんじょう、それは文学に対する冒涜だよ。 「好きな子でも出来たのかよ。」 そ、それは。 「まぁいいや。ほら、リハーサルの時間だから行くぞ。」 楽屋から去る背中に言葉は出ず、溜め息と共に紙は丸めて窓から投げ捨てた。 春風に乗り紙屑は青空を舞う。 2人の恋の行方は、捨てられた紙屑はどこへ向かうのか。 おにやの本当の気持ちを唯一知る紙屑にもその行方は分からない。 冬は忘れない。はんじょう、君が産まれた季節だ。
穂村大樹(ほむら だいじゅ)と申します‼︎ 27歳になってもラブコメ書いてます。 何かしらのコンテストで受賞できるよう必死に足掻きます。 楽しんで小説書き続けます。 頑張るぞオオオオ!! ※メモメモ ・第6回カクヨムWEB小説コンテスト 長編1作品、短編1作品中間選考突破 ・第7回カクヨムWEB小説コンテスト 長編1作品中間選考突破 ・第1回G'sこえけん音声化短編コンテスト 1作品中間選考突破 ・第8回カクヨムWEB小説コンテスト 1作品中間選考突破 ・カクヨムWeB小説短編賞2022 1作品中間選考突破 ・第2回G'sこえけん音声化短編コンテスト 2作品中間選考突破 ・第9回カクヨムWEB小説コンテスト 長編1作品、短編1作品中間選考突破 ・第5回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 長編1作品1次選考突破(NEW‼︎)
元々読専でしたが、18年からぼちぼち小説のような物を書いています。 自由気ままにやっておりますが、気に入ってもらえたら幸いです。