学歴があっても、働く意志があっても、明日の飯にありつけない。
両親を失った李偉は、妹の思妍、家族同然の幼馴染・阿強とともに、中国・東莞へ向かう。三人の所持金は、わずか千四百八十元。
賃金の未払い、理不尽な取り締まり、巨大企業の価格競争。ようやく掴んだ足場さえ崩れ、借金だけが残った。
それでも、人は腹が減る。
最後の三十元で買った弁当が、三人に次の道を示した。
独学で法律を学んだ兄。母の味を覚えている妹。捨てられた機械を直せる幼馴染。
三人の知恵と手で、一食十元の移動弁当屋「三和便当」が走り出す。
中国の工場街を舞台に、貧困と挫折の中で商売を始め、仲間とともに生きる場所をつくっていく三人の物語。