雪羅

別の未来を語るシェヘラザードに、王は興をひかれる。

北方の大国・シールと刃を交える小国・ランドルの末子にして唯一の王女・リラン。戦火を逃れるために訪れた離宮で、孤独な王女はひとりの少年と出会う。

明治時代、五月。 華族の一人娘で女学生の菖子は、雨の日にひとりの青年と出会う。 三回きりの逢瀬。その最後に彼が残した約束が果たされる日を、菖子は三年間待ち続ける……。

アガストラント帝国皇女、イリサ。 終戦を導いた彼女は『終末のイリサ』と呼ばれ、その名は帝国内では誇りを、他国では悪魔の名を意味していた。 イリサは〝本当に戦のない世界〟を夢みて…

明治時代初期。 そぞろ歩くふたりの間に、永遠の雪が降る。

平安時代。 藤原摂関家当主とその側室の間に生まれた秋子。 正室の子・盛子とそっくりの容姿を疎まれ、幼い頃全身に火傷を負う。 やっかいばらいとばかりに盛子の入内とともに参内させられ…

幼い頃からの夢を叶え、都内の有名ジュエリー会社広報室に勤める優理亜は、結婚式に出席する。 その主役は、高校生からの片思い相手と、親友だった。