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    宮内省幽事局

    法律とは、即ち呪いである。 ある三人によれば、法律とは国家と民草の間に結ばれた契約であるらしい。生存のために、繁栄のために、人々と国家が互いに交わした約束は、破れば報いが齎される。それは西洋のゲッシュや、日本のうけひにも見て取れる、誓約の典型例である。故に契約とは、常に呪いなのである。 紙に名を書き、印を押す。それだけで人は縛られる。正に呪詛の構造そのものだ。 かつて人々が言葉に宿る力を言霊と呼び、恐れたように、我々は書類一枚に服従するのである。 金銭は、法律以外に、最もわかりやすい国家と人々の間で交わされた契約の象徴だろう。 一枚の紙切れが価値を持つのは、それを紙切れ以上のものであると、万人が信じ、疑うことを忌避しているからに他ならない。 だから、この国は今も呪いに満ちている。契約書の裏に、レシートの隅に、住民票の一行に、呪いは息を潜めて棲んでいる。 ここで一つ、よく思い出してほしい。日本において国家とは何だったか、を。 国家は我々が法律という名の契約を結ぶことで生まれる構造的主体である。 ならば、そこには然るべき相手というものが存在するのでは無いか。ある三人が言う国家よりも古い存在が。 それは一体誰で、何なのか。始まりに、我々はなにを対価に差し出したのか。

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