『空虚の亡霊と偽物の亡霊』、閲覧、応援、フォローありがとうございました。
なんとか完結まで持っていけてよかったです。
せっかくなので、本編には書けなかった裏話とか、設定的な話をここに書いて、成仏させたいと思います。
めっちゃネタバレなので、もしご興味のある方は、エピローグまで目を通してからご覧ください……!
かなり蛇足になると思います。(すみません)
■登場キャラクターについて■
最初はマイティにスポットをあてる予定で、お話を考え始めました。
呪われた刀に憑りついた夢魔をマイティと協力して討伐するお話で、イスカは部分的に協力してくれる脇役だったし、他にユーインやアザミも登場する予定でした。
でも書いていくうちに、「こりゃ風呂敷を広げすぎて5話じゃとても終わらないな」と気が付いて、大幅に修正し、イスカ中心のお話に生まれ変わりました。結局5話では終わらなかったけど……。
彼女はとても頭が良くて、ガンガン話を引っ張ってくれるので、書きやすかったです。
■スイセンとリンドウについて■
オリジナルキャラクターをどこまで前面に出していいものか悩みました……。(そして結局めちゃくちゃ前に出した。)
二人は少し歳の離れた幼馴染で、歳下だけど気が強く相手を引っ張っていくスイセンと、歳上だけど控え目で彼女をいつも見守るリンドウというバランスで描きました。
・妖刀‟竜胆”(スイセン)
記憶が無くなっても、心のどこかで二人で過ごしたことを覚えていて、似た二人を選んで憑りついています。
未来で巻き込まれたIDAスクールの男子生徒・女子生徒も、アルドとイスカも、引っ張る女子とついていく男子という共通点が……(作品中で表現できていたかは置いといて……)
刀に触れたはずの考古学マニアに反応しなかったのは、彼がそういった特徴に該当しなかったからです。
でも、とっくに異形と化しているので、憑りついた後は、まず最初に刀に触れた人が一番執着している相手に殺意を向け、順番に近しい人を狙っていく。
そうやって何人もの命を吸ってきたのが妖刀‟竜胆”です。
余談ですが、スイセンという名前は花の名前から来ていて、彼女のイメージカラーは黄色です。花言葉は『もう一度愛してほしい』『私のもとへ帰って』。
・リンドウ
幼い頃から刀にしか興味がなく、刀鍛冶となるべく、出身の村にあった鍛冶屋さんに弟子入りしていたので、同世代の友人が少なかったという設定です。
村の子供たちの中ではかなり浮いた存在だったので、唯一自分のことを認めて肯定してくれるスイセンが可愛くて仕方なかったんだと思うなぁ……
もっと勉強するために一人ナグシャムに引っ越したときも、本当はスイセンと別れたくなかったけど、年若いスイセンのために『一緒に来てほしい』とは言えないまま村を出ますが、それでも追いかけてきてくれたスイセンを『一生守ってあげたい。幸せにしてあげたい』と思い、一日でも早く、世間に認められる刀鍛冶にならねばと考えます。
しかし猫正の存在が常に付き纏って、比べられ、否定されるうちに、『自分ではスイセンを幸せにできないのでは?』という思いが芽生えます。
数多ある選択肢を捨てて自分を支えようとしてくれるスイセンに報いたいのに、自分には才能が無い。こんな自分にスイセンが一生を捧げる価値があったのか?スイセンはこんなに応援してくれて、それでも自分を好きだといってくれるのに、なんて自分はダメなやつなんだ。
そんなことを考えるうちに精神的に不安定になり、自己を否定して、『もし自分が猫正だったら、スイセンに相応しい人間として胸をはれたんじゃないか』『猫正になれたらいいのに』という思考に至って、贋作に手を出します。
その後処刑されて、スイセンを幸せにするために必要だった腕を失い、深く絶望し、リンドウの心は完全に壊れてしまいました。
未来からやってきた妖刀‟竜胆”に触れたことで、スイセンの想いを知り、一番大切なことに気が付いて、心を取り戻した、という流れです。
リンドウはオリジナルキャラクターですし、そんなに深掘りいらんやろ~と思って全部カットしてしまいました。
リンドウも花の名前が由来です。花言葉は『悲しんでいるあなたを愛する』。
以上、蛇足でした!
コンテストの期限までにもう1作品くらい書けたらいいなぁ……。
できたらマイティと夢魔の話を……でもサキちゃんとマユちゃんの話も書きたいし、クロード殿下の話も書きたい……ヒスメナも……どんだけIDAのキャラ好きやねんていう……(笑)