記憶を削り、東京を調律する。孤高の民俗学者が紡ぐ、喪失と再生のクロニクル。
古来より東京の霊的構造を護り続けてきた『北辰(ほくしん)』の血脈。
その末裔である葛葉湊(くずは みなと)は、家紋に宿る権能を用いて都市の歪みを正す「調律者」である。
だが、その力の代償はあまりに重い。
歪みを一つ正すたび、彼は自らの「記憶」を失っていく。
家族との思い出も、大切な人の顔も、交わした約束も、昨日の夕食の味さえも。
これは、神楽坂の片隅で生きる男が、記憶を失いながらも何かを護り抜こうとする、長い戦いの記録。
彼を支えるのは、その生き様を記録し続ける教え子・神代暦と、白猫の姿をした神獣・御影、そして同じ何かを守ろうともがく仲間たち。
家紋(コード)により歴史や街の記憶を書き換えようとする組織『七曜会』との暗闘。
そして、湊が最後に辿り着く「忘却」の果てにある景色とは――。
現代に潜む闇と、消えゆく記憶の光を描く、民俗学伝奇ミステリーシリーズ。
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