本日更新分:
https://kakuyomu.jp/works/16817330664565892110/episodes/16818023212537053286に触れる内容ですのでネタバレ注意。
物語の根幹には関わってこないことですが、何となく補足しておきます。
現在のヤミ属やヒカリ属は、生物のなかで最も複雑な精神構造・文化を持つ人間を学ぶために人型をとっています。
もちろん〝生物の死/生を守る〟という任務を少しでも滞りなく遂行するためです。そのくらい人間が彼らの執行対象になりがち、ということでもあります。
そんなわけで人間のカタチをして模倣している彼らですが(ただしヤミ属はヤミ属で独自の文化も築き上げている)、人間から見ると割に大ざっぱな模倣だったりします。
例えば「食事や睡眠を摂取しなくても問題なし」というのはその最たるものです。排泄もしません。呼吸のような動作をするが実際は酸素を必要としないなどもそうです(実体化したときはその限りではない)。
こんな感じで都合のいい表層だけを真似て浅く体験している感じです。もっとも、完璧に模倣して食事が必要だったり腹を下したりすると任務に支障が出る、というのもあって切り取ったのかも知れません。
というわけで本題です。
直系属子の両性具有(性の別がない)設定につきまして。
以上のような感じなので外から見える性的特徴も人間の模倣でしかなく、内側の機能はまったく別物です。
外側は個々の性格や特性を反映して女性寄り・男性寄りで分かれているだけ。中身は女性と男性ふたつの機能を有する、つまり両性具有体。
とはいえ、生物にある〝性欲〟〝子孫を残したい欲求〟は皆無であり「子を持つのに便利」みたいなのもありません。
むしろ子ができてしまうと自分の神核片を分け与えねばならず、任務遂行の力が落ちてしまうため嫌がります。
子を成すのに人間のような行為が必ず必要かと言われると、そうでもないです。
どちらかというと「相手との子がほしい」などの気持ちが大事であり、その思いが双方強ければ行為がなくとも勝手に神核片が分割されて子を形作ります。
ザドリックとリュニオンの場合もそうです。
彼らはとても絆の強いバディでしたが、恋仲や伴侶というわけではありませんでした。
ある任務でリュニオンは死にますが、ザドリックはその今際にリュニオンを抱きしめながら「こいつを失いたくねぇ」と強く願いました。
リュニオンもきっと同じような気持ちを抱きました。それゆえリュニオンが死ぬ直前に互いの神核片が分かれ、結合し、ザドリックは子を宿すこととなりました。
結局リュニオンは死を免れませんでしたが、その代わりふたりの子としてリェナが形作られ、リェナを守り育てるためにザドリックは執行者を引退しました。
ちなみに、これは神から直接生まれた直系属子の話なので、神以外から生まれた傍系属子の場合は不思議と特性が人間に近くなります。
つまりどちらかの性に偏っている場合が多く、また、性行為という儀式を経ないと子を成せない、などなど。
なので傍系属子であるリェナは外見も中身も女の子、ガーディアンの面々もそれぞれ見た目どおりの性別です。
長々と説明しましたが、物語の根幹にはかかってきません。
最初は動揺しまくっていた響も衝撃が去ったあとは彼らと今までどおり接しています。
なので、読んでくださる方々もこれまでどおり気にせず楽しんでいただければめちゃくちゃ嬉しいです。
次話から6章です。
〝罪科獣執行〟の他にアスカとシエルの出会いにも触れていきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました!