こちら本日のクズゲス更新ぶん
34、偽りのアイドルは落ちぶれる
無修正版になります。
人によってはかなりきつい描写があります。
ご注意ください。
ネタバレになるので必ず
34、偽りのアイドルは落ちぶれるを閲覧してから来てください。
↓
私はまだ未成年。
アパートを借りることやバイトもできないので生活が困っていた。
親が居ないのが致命的だった。
本名や時期的に『細川星子』の名前を見せると悪い目で見られたが、明らかに顔が違うことでスターチャイルドとは同姓同名と思われた。
世間的にはスターチャイルドと細川星子の2種類しか顔が変化できないというのが固定概念があるようで、全く違う顔を見せれば別人と見てくれるのが救いだった。
●●駅で見かけた。
海外に逃亡した。
自殺した。
色々な|噂《うそ》がメディアを飛び交っていた。
ネットカフェと銭湯の梯子をしていた。
5万程度のお金が尽きるのは時間の問題。
稼げるバイトを探すも、親のいない未成年では働けない。
新聞配達すらさせてもらえない。
お金がなくなる恐怖に堪えられなかった。
「……っ」
達裄さん、もう私人生が積み過ぎて死にたい。
でも、死ぬなと言われました。
それだけは守りたいと思います。
「はい、嬢ちゃん。ありがとうね」
「…………っ」
私のはじめては5枚のお札に変わった。
とても惨めで悔しかった……。
働くことも出来ず、ネットカフェに籠っているだけでもお金が減る。
その恐怖に耐えられずに、私は自分を売った。
連日放映されるニュースやインターネットはずっとスタチャ一色でメディアが騒ぎ立てる。
それを見る度にもっと惨めになった……。
少し前までスターチャイルドとして偽りのアイドルとして踊って、世界を騙していた代償なのかもしれない。
私がいたポジションは歌も踊りも下手な変な5人組のアイドルグループに盗まれていた。
リーフチャイルドがその知らない5人組のアイドルグループと一緒に踊っていた。
動画サイトでスターチャイルドを検索すると公式チャンネルは削除されていた。
まるで世間からスターチャイルドという汚点を隠しているのがわかる。
最初のギフトによる殺人犯によるお父さんの扱いと同じ。
世の中は隠蔽に溢れた世界だ。
変わりに、スターチャイルドの検索結果には変な動画配信者が『スターチャイルドを救いたい』とか言ってバカにした動画や、『スターチャイルドの●人一家の秘密』といった晒し動画、『スターチャイルドのグッズ100万円ぶん壊してみた』といった過激で不快なもので溢れていた。
コーヒーを飲みながら悔し涙を流す。
スターチャイルドの存在が消えていくのを、まるでコーヒーの湯気の様に消えていくのをただ見送るしかできなかった。
そんな生活が数年続く。
いつの間にか達裄さんから受け取った名刺も紛失し、私は本当に独りになる。
20歳の誕生日、ようやく私は自分を売る生活を終えて、ネットカフェを巡る流浪の旅が終わる。
大きな病気になることもなく、結果を見る度に安心した。
私はすぐにこれまで貯めたお金を使いアパートを借りた。
1番稼ぎの良かったキャバクラの仕事を見付けた。
キャバクラではとにかく男性受けしそうな顔に変えて男に媚びまくった。
男を媚びる方法はスターチャイルドとこれまでの仕事で完璧にマスターした。
どんな仕草で男性の目を引き、男が女にどういうところに反応するのか、息を吸うように簡単に答えを導きだす。
自分にとって最高の天職だった。
結婚は既に興味がなかった。
過去の負い目もあった。
明智の血なんか増やす必要はない。
すべて私の代で終わらせる。
ひたすら男に金を貢がせる卑しい女になった。
ある日、思い付きで元の顔に戻す様に念じたが、既に忘却の彼方にあった細川星子の顔には|戻《な》らなかった。
もう、自分の顔を思い出せないからだ。
私の本当の顔はいつの間にか消えていた。
†
前のページまでで達裄とは会うことはないだろうと星子は語っていましたが、無修正版では連絡すらしてませんでした。
※一応修正版でも達裄とは会ってません。
ただメイド喫茶を紹介しただけ。
日々コメント欄に
きつい、早く星子を可愛がってあげてといった阿鼻叫喚のもので溢れています。
それを見て僕も胸が痛くなり、急遽修正版に差し替えました。
僕も書いていて本気でしんどいシリアスでした。
水曜日に偽りのアイドル編が終わるので、もう最終盤です。
もう1日だけ耐えてくだされば幸いです。