甲賀三郎や鼠浄土、迷い家の例もあり、現実的でない場所に迷い込んだ人間の物語は日本ではメジャーなジャンルとして長きにわたって語られてきた。
同時に、かなり古くから目撃談が記録されているのにも関わらず、どれもが異なる特徴で現代においても正体が一定しない生き物もまた伝わっている。
平安時代に宮中に出現し、源頼政によって退治された雷獣は、その後も歴史の要所要所で記録に出現し、江戸時代には「飼われている」個体もあったという割とメジャーな認知度を誇った、迷い鳥のように別の場所から日本にやってきた異能存在である。
八十科道具店では、青柳佐の雇い入れの際、彼が14歳の夏休みから17歳の後半までとある異界に偶然迷い込んだというエピソードを記録している。
その際に"向こう側"から異能存在を連れ帰った事も把握し、その神格鑑定を行なうと同時に、彼からの外来神格として当局に引き離される懸念を総合的に鑑みた結果、彼を雷獣ごと営業事業部に雇用した。
https://kakuyomu.jp/works/2912051600837948396/episodes/2912051604553329011