『皇帝の犬』は、デビュー前に書いていた話です。当時は他の小説投稿サイトでアップしていました(デビューと同時に、削除することになりました)。
書くきっかけは、BL合戦という、出版各社が集まって開催された大きな賞です。小説を書き始めて間もなかった私は、「とりあえず書けるだけ書いて、出してみよう」と、たくさん話を書き散らしました。各出版社がお題を出しており、「花嫁」というお題をもとに書いた話がこれです。
BL歴の浅かった私は「男なのに花嫁ってどういうことだろう」と疑問符だらけでした。嫁って漢字は、女に家って書くんだぞ!と思い……。
結局花嫁モノの甘さなどがわかっていない状態で書かれたこの話は、選考に引っかかることはなかったのですが、話の筋は気に入っていたので、またどこかでアップできたらいいなとずっと思っていました。
読み返すと、表現や視点のブレなど非常に読みづらいところが多く、今回少し手を入れましたが、お話のほとんどの部分は変わっていません。
文庫一冊分くらいの量です。みなさまに読んでいただけたらうれしいです。