春は素晴らしい。 鼻孔をくすぐる沈丁花の香りに弾む君の笑顔を、桜が讃える。 夏が待ち遠しい。 僕の名を呼ぶ君の声に、蝉時雨も蚊帳の外へと消える。 秋が待ちきれない。茜色の空を眺める君は灯火のように儚く、美しい。 冬は 「お前、何気持ち悪い文章書いてんの?」 はんじょう!? え、どうして?いつの間に? 「いや、ここ楽屋だろ。台本読んでんのかと思ったら気持ち悪りぃ。春だの夏だの、お前引きこもってるから分かんねえだろ。」 はんじょう、それは文学に対する冒涜だよ。 「好きな子でも出来たのかよ。」 そ、それは。 「まぁいいや。ほら、リハーサルの時間だから行くぞ。」 楽屋から去る背中に言葉は出ず、溜め息と共に紙は丸めて窓から投げ捨てた。 春風に乗り紙屑は青空を舞う。 2人の恋の行方は、捨てられた紙屑はどこへ向かうのか。 おにやの本当の気持ちを唯一知る紙屑にもその行方は分からない。 冬は忘れない。はんじょう、君が産まれた季節だ。
カリグラファー書籍化、感謝!! 2024 2月24日第2巻が発売予定です! いつも応援ありがとう~! スピンオフ作品とのリンクが楽しくて堪らないので暫くはこれらの物語の世界を書いていきます。 どうぞよろしく。
ライトノベル作家です。 ・第1回一二三書房WEB小説大賞≪銀賞≫ ・第7回カクヨムコン≪ComicWalker漫画賞≫ ・第1回きずな児童書大賞《奨励賞》 詳細は下記リンク先のポートフォリオをご参照くださいませ。 https://lit.link/manasirokanata 書籍化・コミカライズ・書下ろし等のお声がけ、子心よりお待ちしております。 ご連絡はメールやXのDMなどでお気軽にご一報くださいませ。 manasirokanata+02@gmail.com 猫、阪神、ゾイド、ガンダム好き。 毎日、何かしらの更新をしています♪ お見逃しのないように、ぜひユーザーフォローをお願いします~ヾ(≧▽≦)ノ