【案内人・葛城二華より】
第20話をお届けいたします。
第18話から第19話まで、温泉旅行をお見届けいただきました。あの旅から少し経った、ゴールデンウィーク明けのお話です。
今回の中心は、再び長女の夏凪さんでございます。ただし、前回までの「仕切る長女」とは、少し違う顔が見えるかもしれません。
本日は、ゲストをお呼びしております。夏凪さんの傍にいる方——如月ベルさんです。今回は、お仕事の顔ではなく、友人としてお越しいただきました。
【如月ベルより】
こんにちは。如月ベルです。前にお邪魔したときはマネージャーの顔だったけど、今日は——うん、友達として呼ばれたみたい。
第20話のこと、少しだけ話していいのかな。ネタバレはしないから安心して。
ゴールデンウィークの最終日に、夏凪と二人でごはんを食べたの。表参道のビストロ。夏凪、モデルなのに食べるときはちゃんと食べるから、見ていて気持ちいいのよね。
そのとき、ちょっとしたことを言ったの。助言っていうほど大げさなものじゃないんだけど——たぶん、夏凪には刺さったと思う。あの子、こうと決めたら本当にやるから。
……その後、何をしたかは聞いていません。夏凪は、結果を報告する人じゃないし。でも、たぶん、不器用に、真っ直ぐに、何かをやったんじゃないかな。
私が知っているのは、ここまで。この先は、読んでみてください。一つだけ言えるのは——夏凪が本気を出したとき、周りから見たら、ちょっとかわいいの。
【案内人・葛城二華より】
ベルさん、ありがとうございます。
「不器用に、真っ直ぐに」——ベルさんのこの言葉が、第20話をほぼ正確に表しています。ただし、何に対して真っ直ぐかは、本文に譲ります。
補足を一つ。今回は,第18話、第19話に比べて短い回でございます。けれど、鏡の前で起きたこと、キッチンで起きたこと、そしてダイニングで起きたこと——その三つの場所に、それぞれ別の温度がございます。
最後に、一つの言葉を置いておきます。「楽しみにしてる」。これが、どなたから、どなたへ、どんな場面で渡されるのか。それだけを、心の片隅に留めてお読みくださいませ。
【お礼の言葉・美琴二凛より】
……あの、少しだけ、お時間をいただいてもよろしいでしょうか。
第20話という節目に、一言だけお礼を申し上げたくて。
プロローグから数えて、二十一本の物語を読んでくださった方がいらっしゃいます。
夏凪さんの強がりも、深雪さんのやさしさも、氷華さんの沈黙も、美空さんの正しさも、陽花さんのまぶしさも、月詠さんの企みも——全部、読んでくださる方がいるから、ここまで届きました。
物語の先で待っている側として、帰ってきてくださることが、とてもうれしいです。……あ、これは、じゅんのことではなくて。読んでくださる、あなたのことです。
ここから先も、六人の物語は続きます。二華さんがご案内しますし、私も、ここで待っています。
二十話分の時間を、ありがとうございます。
※本作のイラストはAIを用いて制作していますが、キャラクター・服装の設定および最終選定は作者によるものです。