【氷華本人より】
……朝霧氷華。十八歳。三女。
高等部三年。深雪とは双子で、私が妹のほう。
趣味は……静かにしていること。あと、あったかい場所にいること。猫舌だから、熱いものは少し待ってから。寒いのも、実は苦手。……矛盾してるって? よく言われる。
学校ではあんまり喋らない。でも、家では——うん、もう少しだけ喋る。聞いてくれる人がいるから。
好きなものは、毛布と、静かな時間と、……隣にいてくれる、あったかい人。
……以上。よろしく。
【案内人・葛城二華より】
三女の氷華さんについて補足いたします。
学園では「触れたら切れる氷の刃」と評されるほど寡黙で近寄りがたい方ですが、その儚さは国宝級とも言われています。
ご本人は「もう少しだけ喋る」とおっしゃいましたが、ご家庭ではかなり饒舌です。特定の方の隣に座ると、堰を切ったようにお話しになることがあり、ご家族は「氷華のマシンガントーク」としてよくご存じです。
毛布ごと移動してその方の隣を確保する姿は、家の中では日常の光景です。本人に指摘すると「……偶然」とだけ返されますが、毎日の偶然をどう解釈すべきかは、読者の皆様のご判断にお任せいたします。