第5章の最終話です。
地上に戻った三人に、ハルカ翁が問います。何を見た、と。レインは正直に答えます。光を受け取り、刃に宿し、怨霊を斬った。ですが、それきりです、と。
千年より前は、京の祭祠の前で、サピエンス族の王とエルフ族の長老が、並んで三柱に祈っていた。古い記録に、そう残っているそうです。
この回では、この世界の暦の話も出てきます。三母神暦。一年を光の季、実りの季、夜長の季の三つに分ける。元旦をいつ祝うかは種族ごとにばらばらで、エルフは光の季のはじめ、ドワーフは夜長の季のいちばん長い夜、ゴブリンは収穫の勘定が出そろった翌朝です。この「ばらばらさ」は、のちの章でもういちど効いてきます。
出立の前の晚、レインは庵の縁で、自分の手のひらを見つめます。
やはり、光は出ません。
その場面の絵を掲載します。次章からは、北へ向かいます。