りお しおり

藤島透子はどこにでもいる三十代会社員。 漠然と会社を辞めたいけれど、転職するバイタリティなどどこにもない。 それでも、生きていくためには働くしかない。 これは、会社辞めたい…

毎朝同じ夢を見る。 うなされて目が覚めては、夫にいたわれる毎日。 少しずつ進んでいく夢。 夢の結末とは……

明けない夜はない。 朝は希望に満ちている。 そんなふうに言うけれど、朝が来なければいいと思う夜がある。 朝が来たことに絶望する朝がある。 私は夜が好きだ。 静謐な時間が好きだ。…

ときに甘く、ときに残酷なおとぎ話や童話の世界。 あなたには物語がどのように見えているだろうか。 おとぎ話のお姫さまたちにとってあのハッピーエンドは、本当に「めでたしめでたし」…

ミニマリスト、憧れますよね。 ものが少ないと、ストレスが減る、お金が貯まる、時間が増える、など、いいことずくめだと聞きます。 でも実際に、捨て活をしてみて挫折をした、思ったより…

姉、早帆。三十一歳。 弟、凪。二十四歳。 仲の良い姉弟にだって、色々ある。姉に振り回されがちに見えて、時に振り回す弟。 大宮姉弟の日常。 特に何も起こりません。 短編。一話…

結婚にともなって引越しをする中で、彼の荷物から出てきた古い手帳にはさまれた一通の手紙。 桜色の封筒に女性らしいきれいな字で「親愛なる先生へ」と書かれていた。 彼は高校教師で、…

ものを捨てるのは得意じゃない。 ものへの執着と物欲は消せない。 けれども、もっとすっきりさせたい。 私はミニマリストにはなれない。 目指しもしない。 それでも、ものは少ないほう…

社会人の「私」西野さん。 踏んだり蹴ったりで残業に。 ようやく帰ろうとすると、予報通り雨が。 ところが、バッグに入っているはずの傘がなくて…。 途方に暮れていると、現れた桐山くん…

断捨離、片付け、心地よい暮らし、そんなメソッドを読むのが大好き。 しかし読むのが好きなことと、実際にやるかは、天と地ほどの差があるわけで。 ずぼら、かつ、収集癖、物欲、ものへ…

〈side佳央〉 雪乃は昔から、たわいもない小さな嘘をよくついた。 そのせいで嘘つきと言われていたけれど、その嘘には夢があった。 だから雪乃のことも、彼女の嘘も大好きだった。…