こんばんは、鵠理世です。
ウェブ小説界に飛び込んで2か月、この頃は「伝えること」の難しさを痛感する毎日です。
忙しい読者の隙間時間をお借りしてスクロールされていく電子媒体……既出の情報とて100%の理解と記憶を頼りにすることはできない。
(むしろ、半分も記憶してもらえてたら大成功なのでは?)
だからこそ、キーとなる要素を印象付けるため、どこまで明言、強調、反復するか。
それがこの媒体で物語を紡いでいくための重要ファクタなのかもしれません。
こうした基本のキを押さえ遅れたために、ここに至るまで依理乃の見せ方に足りないところがあったかもしれない……。
そこで彼女の名誉のため、そして僕自身が彼女の物語を大切に紡ぐためにも、あえてのフォローを入れておきたいと思います。
※第二夜結末のネタバレありです。
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このままではいられない、いてはならない。
そう思っても、きっかけを何度も逃すうちに、何もかもが手遅れになっていった。
ぎこちない愛想笑いを解くことも、誰かと真正面から向き合うことも。
『1-2 長沼依理乃』より
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母の死、転校、「時間は人のために使うもの」という刷り込みから自分の時間を捧げてきたことへの疲弊。
それが彼女のバックグラウンドです。
そして馴染めないクラス、優等生の作り出す同調圧力。
本章は、それに対する小さな抵抗のストーリーでした。
“幻出中”なら思い通りに身体を操れることに気づいた彼女は、その訓練の総仕上げとしてクラス対抗の創作ダンスに“幻出体”で参加します。
(ようやくモノにした「パジャマ以外の服装」で、「狙ったタイミング」に幻出というテクニックがいる作戦でした)
この行動が、クラスメートがストイックに培った努力と紐帯を嘲笑う行為に映ったという読者もいるかもしれません。
事実、それが彼女なりの現実世界への仕返しでした。
けれど世の中そんなに上手い話はなく、最後には「他者の記憶に残らない」という幻出能力の限界を突きつけられる結果になりました。
彼女は今後も過つことでしょう。
ですが、その中でしか深まらない問いと成長があると考えています。
いまだ魔法少女の主人公としては不適格な依理乃。
その彼女が「夢見の変身」という甘い幻想、そして醒裁システムの冷徹さとの間でどのように重心を取るのか。どのように祈りを体現していくのか。
続く第三夜で彼女に降りかかるのは「力の誘惑」です。
本作のタイトルにも示される「裁くこと」の重みと矛盾に彼女はどう向き合っていくのか。
引き続き読者の心に“何か”を残せるように、真正面から誠実に描いていきたいと思います。