暑くて家の中ではずっとエアコン。
でもどうにも人工的な冷えは、体がなんだか疲れます。
日が落ちる少し前に、夕飯を弁当箱に詰めて、公園に行きました。
滑り台がある丘の上にレジャーシートを敷いて。
ひゅう…むわぁ〜ん…
「涼しい?」
「まあまあ」
なんて息子と話しながら、お弁当を食べます。
「くるっぽぅ」
鳩がやってきました。
息子がボロボロと食べこぼすパン屑を狙っています。
「くるっぽぅくるっぽぅ」
おう。こいつめっちゃ喋るやないか。
三羽でやってきた鳩たちのなか、一番でかい奴が、足元までやってきました。
元気にくるっぽぅ言いながら、器用にパン屑を攫っていきます。
「ママ見て!」
おっと、カラスがやってきました。
以前弁当箱ごと奪われかけた私は、警戒します。
普通のハシブトさんと、その隣にボサボサ頭の小さいのが二羽。
「カー」
おや。まだ子供のようですね。ボサボサ頭たちが、こちらのパンを物欲しげに見つめます。
「くるっぽぅ」
足元でパン屑を啄んでいた鳩が、突如体を大きく膨らまし、カラスの方へ突撃しました。
「くるっぽう、くるっぽう!」
駆けてくる鳩に、ちびカラスたちは引き気味です。
適当に避けるも、猛然と追い立てられ、母鳥の「カア」との合図に、しぶしぶ子カラスたちも飛び立ちました。
「くるっぽぅ」
『報酬は?』
足元に戻ってきた鳩が、小首を傾げ、つぶらな瞳でこちらを見上げてきます。
「鳩強いね」
一連の出来事を興味深そうに眺めた息子は、最後の一口を食べ終えました。ごちそうさま。
ひょおお……
「ママ、この風持てるよ!」
確かに。手のひらを風にかざすと、空気の感触が心地よい。風を掴めた気分ですね。
「くるっぽぅ」
持参した100均の水鉄砲に水を詰めて、手近なねこじゃらしを狙撃!
――むむ。難しい。
風に揺れるねこじゃらし。命中すれば大きく揺れるので、当たり判定が分かりやすくて良いのですよ。
100均水鉄砲も地味に2メートルは射程があるからね。
「くるっぽぅ」
無心で息子と2人、水鉄砲を撃ち続けます。
最後の茜が地平線に沈み、空は次第に薄暗くなっていきます。
水飛沫を乗せた風が、ようやく夜風らしい涼を運び、
「くるっぽぅ」
良い感じに楽しめました。
後ろを振り返り、佇む彼に目で話します。
鳩よ、もう何もないから諦め給え。