• SF
  • 現代ファンタジー

界間旅行者について

拙作『あるオッサンの回顧録~自称吸血鬼の女の子に火を貸したら、お礼に鉄パイプを貰ったのだが~』をお読み頂き、ありがとうございます。

恐らく、僕の前作『終わった世界に、君と僕。』を読んだ方はさぞ混乱している頃合いかと思います。え、界間旅行者ってタイムトラベラーの事じゃないの? と。

界間旅行者とは、タイムトラベラーではなく文字通り世界と世界を行き来する存在の事を指します。単に別世界を行き来するだけでなく、時間軸が違う世界を行き来する事も出来るので、それを利用して“最後の子供達”達は千年後の世界と現代を行き来していた、と云う訳です。

この辺り、独立した作品である『終わった世界に、君と僕。』では読者の混乱を防ぐ為に敢えて情報を開示しませんでした。
しかし、今作の『あるオッサンの回顧録~自称吸血鬼の女の子に火を貸したら、お礼に鉄パイプを貰ったのだが~』ではがっつり登場します。何せヒロイン(?)の吸血鬼が、界間旅行者の中でも有名人の一人なので。

界間旅行者の目的は様々です。『終わった世界に、君と僕。』では食料や物資調達の為、今作の『あるオッサンの回顧録~自称吸血鬼の女の子に火を貸したら、お礼に鉄パイプを貰ったのだが~』では宿敵を倒す為。界間旅行者になる動機も方法も様々です。

しかし、界間旅行者には共通点が一つあります。それは不老。自身が存在した世界の時間軸から切り離された結果、彼らは老いる事が出来ません。同じ理由で寿命もないので百どころか千を超える齢の界間旅行者はザラにいます。

不老には一つ例外があり、界間旅行者が“トーチ”というアイテムを所持している場合はその限りではありません。自分の元居た世界との繋がりを示すトーチは、界間旅行者にとって帰還の灯火であると同時に死神の蝋燭でもあるのです。もっとも、世界から世界を旅している界間旅行は時間がずれるので、定命の存在に比べて老いる速度が遅いのですが。

界間旅行者は不老ですが不死ではありません。ですが、今回のヒロイン(???)である天華は不死です。どんな事をしても絶対に死なない面倒な奴です。

彼女と出会った事で人生(と性癖)を壊された少年、彼はやがて陰陽寮に所属しこの世界の秘密へ深く関わっていく事になります。軽薄でいい加減なオッサンになった彼唯一の後悔、それが今回の物語である〈三角定規〉事件なのです。

物語の都合上ストーリーはなかなかヘヴィなものとなりますが、皆様どうか宜しくお願い致します。




※追記
少年のその後が知りたい方は、僕がKindleで出している『盤根錯節のキュイジーヌ』シリーズを読もう!(露骨な宣伝)

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する