https://kakuyomu.jp/works/2912051603978809951/episodes/11054822663461880022
『俺は、人間よりも優しい種を作った』
アイシャが、音声の記録を別に開いた。
ナナユカがミレーナの腹部を見た。
ロトラは広げた骨板の内側へ、母親を抱き寄せた。
『増える。子供を愛する』
種殻から、新しい幼体が押し出された。
『等しく愛するのだ』
ナナユカの滴が、その身体へ触れる。
背中が割れ、推進口が開いた。
先に生まれた群れへ、白い身体が加わった。
『この子を弄び、堕胎させた人間よりも』
エルが顔を上げた。
ミレーナは両手で腹部を包んでいた。
指の間を、白い幼体が抜けていく。
『子供を愛している』