あとがきのようななにか
『恋詩曲』【こいしきょく】。
私はつい便利なので【こいうた】と読んでしまいます。
このお話は四十年ほど前、私が中学生の頃に書いた物語『俺とあいつの恋詩曲(ラブソディー)』の一部を元に、書き直したものです。何度か言ってましたね😅
最初は、
狂詩曲→ラプソディー→恋愛ものだから恋→ラブ?→ラブソディー→恋詩曲。
なんて安直な付け方でした。
内容はと言うと、澪くんと春菜さんがとある事故で出会い、紆余曲折あって許嫁となり、ひとつ屋根の下で暮らし始める。
実に昭和らしい、そんなお話でした。
二話目には涼子も参戦して、澪のクラスメイトたちとドタバタなコメディになり、三話目には春菜さんが病気になって余命いくつ、なんて展開になり――とうとう書ききれなくなって頓挫しました。
そりゃそうですよね。
中学生にそんな重い話、書けるわけないですからね。
それから色々あって、『気ままにコネクション』という別の舞台に移り、コメディ、シリアス、SF、ファンタジーなど、闇鍋のような物語を書いていました。
劇場版構想なんてものも、そのうちの一つです。
そんな散文を書き溜め、そうこうしているうちに四十年の月日が経ちました。
そして、ふと澪と春菜の話をもう一度書きたくなりました。
そうして書いたものが、今の『恋詩曲』になります。
とはいえ、書き始めたと言っても、それまでの私は台詞主体の脚本形式。
すぐに小説を書けたわけではありません。
それ以前から少しずつ、短い文章でも書けるようにと練習していました。
そもそも私の書き方は、
プロット→肉付け→小説、
というものではなく、
脳内映像→翻訳→文章。
なんて変なことをしていたので、頭の中にあるイメージを言葉に変えるのが大変でした。
何せ頭の中では、そのカメラは自由に動き回れるんですから。
それに彼ら彼女らとは、もう四十年近い付き合いです。
「こんなお話で」とシナリオを渡しても、アドリブで好き勝手に動き始めます。
困ります。
書き出すのに追いつかないんですから😅
それによく喋る。
書くのに追いつかなければ、もう一度演じてもらいます。
ところが、一度目とは違う公演になる。
もうね、その断片を集めた編集作業です。
ある程度慣れたとはいえ、そんな彼らの演技は見ていて楽しいです。
そうやって追いかけながら書いていたら、いつの間にかこんなお話になりました。
お姫様は王子様と幸せに暮らしました。
ただ、それが書きたかった。
それなのに、そこへ辿り着くまで十三年も掛かるとは思いませんでしたが💦
四十年前の私へ。
安心してください。
あなたの初恋の人は、幸せに暮らしています。
余命ネタで命を奪い、その悲しみに筆を折ることもありません。
安心してください。
――なんて書くと、お前死ぬんか? という勢いですが。
大丈夫です。
舞台の袖には、まだ出番を待っている連中がいます。
「そろそろ出番?」
「アイツら長いんだよ」
「えー、お前たちもやったじゃん」
「俺、ちょい役だけだよ」
「私たちも出てないー」
……。
どうやら、しばらく静かにはなりそうにありません。