「…どんくらいたったんだ?」
普通に生きてきたおっさんの俺が、この穴の底に来てからしばらく経った。最初はてんやわんやで何も分からず、飛ばされた腕がくっつくとも分からなかった。
「オイ。」
呼ばれて振り向けば、やっと言葉を覚え始めた相棒の姿が。奇妙な話だよな、会った当初はどっちが殺されるかって間柄だったのに。
「おおありがとう、いつも悪いな。」
「カマワン。」
「それにしても、随分話せるようになったな。うーうー鳴いてたのが懐かしいな。」
「ウルセエ。」
肩をドつかれた。その衝撃で骨が外れたらしい、予想していなかった痛みが瞬時に襲ってきた。
「いっでぇぇぇぇぇぇえ!!」
「!?」
「や、やりすぎ…だ。」
あまりの痛みに気を失いそうになる。やっぱり人と魔物のこいつとじゃ、感覚が違うんだろう。
「あー…死ぬ。」
「シ、シヌ!?コマル!」
「いやもう死ぬ。めっちゃ痛いしこれ無理だ。」
「ゴメン…」
ショボくれながら肩に手を置かれ、その手が淡く光だす。原理はまだ分からないが、こいつが治してくれる時いつもこの光がでる。
「ド、ドウダ?シナナイカ?」
「…」
肩を動かす、痛みはない。
「また死にそびれたな。」
「!!」
俺が死なないと分かってか、喜びの余り飛び付いてくる。見た目は少女のこいつだが、抱き付かれると感触ってのが
「いだだだだだだだ!」
「~♪」
つらい、加減を覚えてほしい。
あ~走馬灯だよこれ、ここに来た日が鮮明に思い出される。
未筆の理由
異世界ものって難しい()