筆が乗らないので、何となく書いてみたのをお試し公開きます。
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チンチラ王国は今日も塩対応
創世記
チンチラの国は絶滅寸前だった。
人間たちが捕まえに来る。
そんな中、一人の人間がチンチラを救った。
彼は十一匹のチンチラを新天地へと連れて行った。
それが、チンチラ王国の始まりである。
*
チンチラ王国の朝は遅い。
日が沈む頃みんな起き始める。
チンチラは夜行性だから仕方がない。
もっとも、始まったところで大したことは無い。
ご飯を食べて。
砂浴びをして。
高いところに登って。
みんな、気ままに好きなように過ごしていた。
だけど、中には忙しい人もいた。
数匹のチンチラが城で会議をしていた。
「今月の愛想税はどうだ」
王が問いかけた。
「目標の三十パーセント程です」
宰相が答えると、会議室はざわついた。
「そうか、チモシーうまいな」
「みんな、やる気がありません」
みんなでチモシーが積まれたフィーダーを囲んで会議をしていた。
王は食べかけのチモシーを放り投げて次のチモシーに手を伸ばす。
「聞いてますか?」
「……モグモグ」
「王、聞いてますか?」
「聞いてるぞ、お前の言う通りチモシーはうまいな」
「そうですね、チモシーは美味しいですね」
チンチラ王国ではみんな働かない。
人間にかわいいを売ることで成立していた。
人間がご飯を持ってきたり、家を建てたりする。
チンチラは時に甘え、時に素っ気なく、可愛さで人間を振り回す。
それが建国から300年続いてきた、国の在り方だった。
「ではなくて、愛想税が足りてません」
「もっと可愛くならないといかんな」
「我らの可愛さは天元突破してるのでこれ以上は無理です」
全員が一斉に頷く。
自分の可愛さを一ミリも疑わない。
それがチンチラだった。
「じゃあどうする?おお!穂の部分があるじゃないか」
「若者にデレがなく、ツンしかないのが問題です」
最近の若者は愛想を振りまかない。
「近づいたら撫でられるじゃないですか」
「それは確かに嫌だ」
チモシーを食べてる若いチンチラに聞いたら、あっさりとそう言っていた。
撫でられたくない。
撫でられるなら主導権はチンチラにある。
人間はチンチラの可愛さを尊重し敬うべき
それが、全チンチラに共通する意見だった。
そこに、一匹の真っ黒なチンチラが飛び込んできた。
「大変です!集団抱っこが発生しました!」
会議室がざわついた。
抱っこ……
それは、もっとも嫌悪すべき行為だった。
「それは……むりやりか?」
「いえ、チンチラ側からのようです」
余程気に入った相手じゃなければ、抱っこなんて絶対にさせない。
むしろ気に入った相手でも抱っこは絶対にいやだ。
それがチンチラだった。
それなのに、集団で抱っこが発生するなんて、前代未聞だった。
「何匹だ!」
「五匹です!」
「五匹……?」
「ありえない」
あまりのことに、みんなのチモシーを食べる手まで止まる。
「愛想税たりるか?」
「ええ、救世主に救われました」
*
いつもご飯をくれる男の子がやってきた。
撫でてもいいのに、いつも恐る恐る手を伸ばしてくる。
こっちから手にすり寄ると嬉しそうに首元とか耳の付け根を撫でてくれた。
「かわいいー」
男の子は、いつもそんな当たり前のことしか言わない。
そんなこと言うまでもないよね?
今日は機嫌がいいから構ってあげよう。
「きゅ!」
ぼくの合図で、みんなが一斉に男の子の体によじ登る。
胸に、肩に、頭に
くすぐったそうにしてる男の子は胸元にいる僕らをまとめて抱きしめる。
壊さないようにそっと、腕を回してくる。
仕方ないから抱っこされてあげよう。
だからおやつもちょうだい。
かわいい、連載版読んでみたい
ってなったら感想とか貰えるとうれしいです。