休み時間
この異世界に来て、初めて異世界の授業を受ける。
が、残念ながら大した違いはない。
歴史とか地理とかも、なにか大きく違う所がありそうだが、本当に残念ながら違いは無かった。
全く残念。
そう思いながら授業を終えて次の準備を整えようとすると、3人程の女子生徒が私の机を囲うように集まる。
「なぁ、グラズ。昨日休んでたけどさ、この宿題終わらしてくんねぇかなぁ」
些か人に頼み事する様な態度ではないが、躾までは私の領分でもない。
乱雑に置かれたプリントやノートに目を通す。
「構いませんよ」
ーーーーーー
私は天才美少女プラパちゃん。
そんな可憐な少女もちょっとお手洗いぐらいは行くんだけど…
「私が解いて皆さんにお見せしても構いませんが、本来この教科貴方の得意分野のはず。せっかくならご自身で解いたほうが宜しいのではと提案しているだけです」
「それがメンドーっつってんだろ!」
「ほかの苦手教科よりは良いと思います。それに分からない事を分からないと言うことは別に恥ずかしいことでもないですよ」
教室戻ろうとするとあのソックリさんと、ヤンキーが言い合うような声が聞こえてくる。
正直関わりたくないが次の授業までには着席しないといけない。
教室を覗くとヤンキー達はなぜか椅子に座らされ、グラズが立って教えている。
「貴方はこういう図を描いて解いたほうが解りやすいのでは?」
「貴方は記憶力はいいのでここと、ここの暗記で次の点はそこそこ良くなるはずです」
「貴方はこの分野が得意ですよね。ここまで出来てるなら大丈夫でしょう」
「宿題はやるのはいいでしょうけど、貴女方は結果で出したほうが先生方は安堵して頂けると思いますわ」
「うわ、わかりやす」
「すぐ解けた」
「あれ?なんで宿題やらされてんの…」
ちょっとした人集りができていたが、チャイムが鳴ると皆慌てて自分の席に戻っていく。
3時間目の授業が終わる頃にはソックリさんの周りに勉強を教えて欲しいと集まってくるぐらいになってしまっている。
あーあ、これグラズが戻ってきて大丈夫かなぁ。
まぁいいか