拙作『レプリカのアイドル~声真似系VTuberが天下をとる話~』が完結しましたことをご報告致します。
応援いただいた皆様、本当にありがとうございました。おかげさまで最後まで物語を描けました。
少し長くなりますが3点ほど、あとがきとして私の想いをお話させていただきたいです。
☆作品を通して表現したかったこと☆
この作品は「VTuberは偽物である」というアンチ的思想から着想を得ました。
生身の人間でも生の肉声でもない、イラストを投影させるだけの現地ライブは偽物のライブであると。
しかし実態はどちらも大して変わらない。
生身であることに価値を覚えるのは一種の宗教的思想ではないか?
結局は娯楽。当人達が楽しめれば偽物だろうと構わないのでは?と。
そんなVTuberが偽物であるという思想にちなんで題材を決め、声真似というテーマで偽物の正当性について物語内で議論させました。
本物とは。偽物とは。どちらだとしても、自分が価値を感じるものを推せばいい。
自分が価値を感じないからと言って、他人の好きなものを否定するのは間違っている。
もちろん愛さえあればどんな推し方をしても良いというわけでもない。
そんな意味も込めて、作中で厄介ファンやアンチの行動に対し否定する描写が多くなったかと思います。
結論、他人に迷惑かけないように自分の幸せを追求しろ。というのが私の思想です。
☆作中に歌詞を取り入れた意図☆
この作品の歌詞については全て自作です。
音楽経験もなく、初めての試みだったので拙い部分も多かったかと思います。
もちろん小説なので音はありません。
個人的には読み物として面白い歌詞を心がけたつもりですが、物語の展開と関係のない蛇足だと感じた人も多いと思います。
考えるコストが重いのに対し、喜ぶ人の数を考えればリターンの少ない行為です。
一方で、歌っている間の心情という建前で、セリフと地の文を逆転するような形にすることでキャラの気持ちをさらに深掘りできたことは良かった点だとも思っています。
私はここまで歌詞に力を入れている小説を知りません。私が知らないだけで存在するのかもしれないけれど、それだけ有名作が少ないということでもあります。小説で歌詞を書くことに意味があるのか分からない新たな挑戦でした。
歌詞にはとある2つの想いを込めました。
1つは作品内のキャラへの想い。
アニメや漫画、媒体問わずキャラクターを文字で表現する最上の方法が歌詞だと思っています。
そのキャラについて比喩表現を用いて紹介できる、そのキャラに歌ってもらえる、そのキャラのために歌詞を考えたキャラが居る。
そんな物語を見るうえでの想像力の発展につながってくれると信じて、綴らせていただきました。
もう1つはVTuberジャンルの小説としての在り方。
世界には色んな業界があって、それぞれにクリエイターが存在する。
ライトノベル作家に隣接するクリエイターといえば、挿絵のイラストレーター、コミカライズのマンガ家、アニメ制作会社。
VTuberに隣接するクリエイターといえば、キャラモデルの各種クリエイター、cover曲やオリ曲作成で関わる音楽アーティスト。
そういった業界の違うクリエイターを、私は互いに高め合う存在だと思っています。
物語単体、イラスト単体では伝えきれないクリエイターの持ち味を最大限に活かし、そしてそのクリエイターのファンに他業界の良さも伝えられる、素敵な繋がりだと。
この作品では小説界隈からVTuberの業界を知ってもらうこと。そして歌詞を曲にすることで音楽界隈に繋ぐこともできる。そんな可能性に期待して描きました。
……まあ、私は音楽知識ほぼゼロですので。執筆が一段落したこのタイミングで学んでみたいと思っています。
☆最後に☆
私は鬱作品の中に咲く小さな幸せが大好きです。
辛いはスパイス、苦しいは栄養。この考えに石を投げたければお好きにどうぞ。私は価値観の違う人間なのだと認識するだけです。
皆様におかれましても、各々の「好き」を見つけて幸せに生きられることを祈っております。
もしも私と同じ「好き」をお持ちの方がいるのなら、よろしければ同志と呼ばせていただきたいですね。
以上、多くの人に読んでいただき、応援いただけたこの2年間は本当に楽しかったです。
ここまでお付き合いいただき本当にありがとうございました!
またどこかでお会いしましょう。