その1 「南越王墓の謎」
中国南部、五嶺という南嶺山脈の南を嶺南といいます。広東・広西・海南の三省区をさしますが、その嶺南にかつて「南越国」と呼ばれる王国がありました。首都を番禺(いまの広州)に定め、始皇帝の秦朝崩壊後、漢の武帝に至る百年間、独立国として君臨したのです。中国大酒店の南側にある「西漢南越王博物館」に南越王墓の遺構と出土遺物が保存されており、2000年前の歴史を彷彿としていまに伝えています。
ただし、この王墓は初代王趙佗(ちょうた)のものでなく、二代目趙眜(ちょうばつ)の墓だったのです。趙佗には趙始という嫡男がおり、趙眜は趙始の子、つまり趙佗の孫にあたります。長男をさしおいて、なぜ孫が跡を継いだか。これが「謎」のひとつで、答えはWEB短編小説『趙始と媚珠』(4万字=約100枚)の中で、解き明かされます。
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南越国のものがたり、短編のあとは長編でご堪能ください。
「広州に二千年の歴史がある、海のシルクロードで世界を結ぶ港が存在した」
― 『南越王伝奇』(天の章・地の章・人の章、12万字=約300枚)
「二千年の時を越えて、南越王の墓陵が発掘された。王は玉衣に包まれていた」
―『南越王国の最期』(呂嘉は趙佗の墓を秘匿したまま事切れた。10万字=約250枚)
その他、「焚書坑儒は、儒家ではなく墨家の絶滅を狙った始皇帝の暴挙だった」
―『墨絶(ぼくぜつ)』(墨守・墨攻に次ぐ究極のキーワード 墨絶とはなにか)
「少年が夢見た地下宮殿は、不滅の楽園だった」―『ヤングエンペラー』
広州市番禺区在住の作者が、中国の古代歴史に挑みます。「カクヨムWEB小説サイト」の「ははそ しげき」@pyhosaから、興味ある小説を選び、ご一読ください。
その他、嶺南出身者や入粤の人物を描いた作品には、「羅浮山はるかに」(西晋、葛洪)、「神犬伝」(南北朝~隋、洗夫人)、「飛龍天にあり」(五代十国~南漢国、高祖劉龑)、「胡妃南遷」(南宋末)、「マンチュリアン・ドリーム(明末清初、袁崇煥」、「孫文蜂起」(清末民初、山田良政)などもあり、順次、掲載する予定です。
いずれ同人サイト「嶺南文庫」を設立したく、同好の士を募ります。ご連絡ください。