朝、カーテンの隙間から漏れる陽光で目を覚ます。リビングから聞こえる生活音、彼女が朝食の準備をしてくれている。
昨日は……ふふっ、笑っちゃうくらい幸せだったっけ。
さて、今日はどんな幸せが待ってるのかな。
◇ ◇ ◇ ◇
「晴さん、おはようございま…………」
「ふふっ、おはよ。どしたの? そんなに目を見開いて……」
「そ、そのですね……虫刺されと言いますか、数と言いますか……」
「えー、なになに? ちょっと鏡見てくるね」
◇ ◇ ◇ ◇
「で、それはなんの痕?」
「いやぁ、大っきい蚊がいていっぱい刺されちゃったっけ」
「あんたバカなの!? 今日何の撮影か分かってる!?」
「夏服のヤツ」
「ハァ……葵、なんとか隠せない?」
「えー、私が代わりにモデルになってもいいよ?」
「バカしかいないの?」