金がない。
金がないのはマインドセットの問題でしかないと言われることがあるが、私に言わせれば決してそんなことはない。ない時は本当にない。
私の口座残高を見るが良い。金があるように見えるか?これで「ある」と言っていたなら狂人だ。ないものは、どこまで行っても、ない。
その昔、江戸時代に六無斎と名乗る思想家がいた。彼は自身の孤独な暮らしを「親もなし 妻無し子無し 版木無し 金も無けれど 死にたくもなし」と詠んだ。この六つを持たない文人だから"六無斎"というわけだ。
近頃、自分が彼の境遇に近づきつつあることを感じている。
この和歌の中で、自分にまだ「ある」のは親と版木だ。もし、この文章を打っているパソコンが壊れたら版木(仕事道具)無しとなり、とたんに五無斎となる。
親は高齢で、いつ死んでもおかしくない。文人ではないから斎号を持つことはないだろうが、実質的に"六無斎"になる日は本当に近いのかもしれない。
親が健在なうちに頼れたらとも思うが、哀しいことに親もまた金がないのであった。
父も母も、私と同じことを言う。
「金がないのはマインドセットの問題でしかないと言われることがあるが、私たちに言わせれば決してそんなことはない。ない時は本当にない…」。