(書きたい所だけを書いてます)
〜あらすじ〜
武闘戦将ノブナガは戦乱の続く、黄神砂国……後の黄の領域と呼ばれる地域で生まれた。
力ある戦将はみな、自らの欲を第一に動き……それに巻き込まれる民草の嘆きは砂の粒となり、黄神砂国の砂漠となっていた。
民を守る為、砂に埋もれようとする故郷を救わんが為に、挙兵するノブナガ。
ミツヒデ、イエヤス、マサムネと仲間を増やし、夢への天下統一まであと少しという所で、宿敵である武闘戦将ヒデヨシが立ち塞がる。
決戦の地であるホンノウジで仲間たちに後押しされて、前へと進むノブナガ……だが、その背を突如として裏切ったミツヒデの美剣が貫いた。
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「ミっちゃん……?」
呆然と自らを突き刺した剣の持ち主であるミツヒデの名を呟くノブナガ。
震えながら後退り、主君の血に染まった両の手でその自身の肢体を抱き締めるミツヒデは、夢を見ているような、遠くを望洋とした眼差しでノブナガの姿を写してはいなかった。
「えへ、えへへ……ノブナガ様、刺しちゃった。これで、もうノブナガ様は戦えない……ノブナガ様は、もう戦わなくていい……」
「なんで、ぐっ……ミっちゃん…」
「えへ、えへへ……」
自分を見失ったように、白痴の童のように笑い続けるミツヒデの元へ、苦痛を堪えながら歩み寄ろうとするノブナガの身体を無理やりに引き留めて、抱き締める者がいた。
「漸く捕まえたぞ、ノブナガ」
「ヒデ、ヨシ……っ!」
「ククク……そう、睨んでくれるな。ねじ伏せて、その花を手折ってしまいたくなるだろう?」
砂国一の戦将にして、この国を戦乱の渦に巻き込んだ元凶……【魔王】武闘戦将ヒデヨシが苦しみに歪む、ノブナガの顎を掴み、そのまま口付ける。
目を見開き、暴れ抵抗するノブナガであるが……傷は深く、徐々に酸素を奪われていく状況でその力が失われていく。
意識を飛ばす刹那、唇が離れて久方ぶりに呼吸を行うノブナガの様子にヒデヨシが笑みを深める。
「甘いな、振る舞いもだが其方自身もまた蜜よりも甘い……極上の甘露だ、ノブナガ」
「ヒデヨシ……何故、こんな事を」
「何故?我はこの黄神砂国を統べる魔王だ、欲しいと思った物は全て、あらゆる手を打って手に入れる」
ヒデヨシが指を鳴らすと同時に、ミツヒデの身体が糸が切れたように倒れる。
「その女は良い手駒だった。容易く操られ、其方を手に入れる布石となった……このような弱き駒、其方には相応しくはないと思うぞ?」
「駒じゃない!ミッちゃんは、あたしの仲間なの!イエヤスくんも、マサムネちゃんも、みんなあたしの大事な仲間よ!訂正して!」
「その仲間の手でお前は危機に陥っているのだがな……強情な娘だ、まあだからこそ我の物にしてやりたいのだがな」
再び口付けようとするヒデヨシに向かって、一本の剣が飛ぶ。
頭痛に苦しむように、頭を抑えて片手で自らの額を抑えるミツヒデが、剣を投げた姿勢のままヒデヨシへと鋭い視線を向ける。
「よくも、私にノブナガ様を傷つけさせたな……!」
「チッ、無粋な禿げ女め」
「許さない……死んで、もらいます!!」
再度宙を駆けるミツヒデの美剣を、ヒデヨシの魔剣が迎え撃つ
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この後、ミツヒデは負けて亡くなり、ノブナガが覚醒してヒデヨシと相打ちになります。
遺されたイエヤスはノブナガの遺志を継いで、黄神砂国を統一します。
マサムネは力及ばなかった自身を恥じて、以降の生涯で剣を振るう事をせず、赤の領域で鍛治仕事を始めます。炎熱の里はマサムネの子孫です。