ぼくの中ではSFというジャンルがもう無いと思っている。ここに散見するSFというジャンルで載せている人も多いが、ぼくの中では終わりを告げた。サイエンス・フィクションこれがSFなのにサイエンスの部分が誰も考慮に入れていないかのような作品で占められているのではあるまいか。
もちろんSFはぼくは書ける。ただし書かない。ぼくが空想科学小説を書かない訳は、それを実用的に考え、また行動しているからだ。ぼくの場合、科学は空想ではない。ぼくには時間というものがなく、SFにその時間を消費しているには歳を取り過ぎた。それに誰もが書くようなSFもどきはぼくには興味がない。
少年時代にいろんな意味で裏切られてきたので、そういうサイエンス・フィクションの世界が単なる雑文で占められ、そういう終焉を迎えたそのジャンルをわざわざ掘り起こそうなどと思えないのだ。ぼくは科学少年であったから、それらのことは致命的で、ぼくの心根は、もう二度とその世界に踏み込むことはないだろう。
SFは既に終わっている。