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『俺よえー、迷宮』のSSです。
現在より少し未来の話。


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『花笠ブーム』

 地下都市『デ・スェ・ヒンイーン』から徒歩で1時間ほどの地下、踏破済み迷宮に『ニッポン』という新たな街が出来て1年ほど経った。


 デ・スェ・ヒンイーンからニッポンへ、色々な生活物資が流れていくが、ニッポンからデ・スェ・ヒンイーンにも珍しい物質が入り込んでいた。

 その中でも一際目立っていたのがフラワーヘルメット、『HANAGASA』と呼ばれている物だ。
 乾燥した細い植物の茎のような物で編まれた被り物に、植物では無い薄い何かの生地で作られたカラフルな花、それが頭の上に咲いたように乗っている。

 最初は冒険者ギルドで売り出された。しかしあっという間に人気になり、今は街でも似た物が販売されている。
 街往く人の頭を飾る、特に若い女性や子供に人気だ。

 自分の好きな花を飾るのが主流であるが、好きな女性から聞き出した花を飾り、そのHANAGASAを差し出しての結婚の申し込みをするのも流行り出している。

 花の他に、小動物を乗せている人も見かける。
 逆輸入ではないが、実はニッポンでも花笠の花の代わりにぬいぐるみを乗せるのが流行り出している。

 デ・スェ・ヒンイーンの都市では、ぬいぐるみを乗せている人は少ない。
 一見するとぬいぐるみかと思われたが、実は生きている小動物だったりした。


 この世界、地上の生き物は地球に比べて巨大であった。しかし、地下の生き物は地球に比べて逆に小振りサイズだ。

 そこらで目にする雀に似た鳥はひよこ饅頭より小さい。あれで成鳥だと言う。
 ネズミもリスもミニマムだ。可愛いもの好きの自衛官達に大人気だ。

 実はデ・スェ・ヒンイーンの都市では、それら小動物は実用的な理由で使われていた。

 連絡手段に小動物を使う。それは主に自宅内で飼っている場合が多い。
 街を移動する際は鳥籠のようなケージに入れて持ち歩く。

 が、花笠がケージの代わりになると密かに伝わると、花笠の上に 乗せて連れ歩く者が増え始めた。
 出先で連絡を取りたい時に便利だ。


「小動物ってスマホ代わりなの?」

 なんと、こちらの連絡手段のひとつとして小動物に手紙を運ばせるらしい。

 日本人はペットを家族として可愛がる習性があり、デ・スェ・ヒンイーンで小動物を入手するも、なかなかに使いこなせないのであった。


「え? 国土省に急ぎの連絡? この手紙、大きすぎないか? うちのピピちゃんには重たすぎる。途中で落下する危険がある。国土省までなら俺がひとっ走りする」


 結局飼い主が使い走る有様であった。


 完

11件のコメント

  • 本末転倒(笑)

    最初からマスコットとして愛でてればいいのに…と言うのも無粋か
  • 自分が走るんかいw!

    最初に花笠が作品内で出た時に、山形の花笠ではなく沖縄の花笠が思い浮かんでて
    『あ〜あの上の窪みにスライムがインするのかハイハイ理解』
    だったのですが、違ってると気付くのに時間ちょっとが掛かりましたw

    思い込みって怖いw
  • 小動物はペットで愛でるもの考えは日本人ですね(^^)
    癒しは大切
  • 働かざるもの食うべからずですかね。
    癒し担当も立派な仕事?!
  • じょおさん

    はいw
    途中からもうただのマスコット、ペットとして飼いだしている日本人達ですw
  • カラアゲさん

    筋骨隆々の自衛官さんが、ピピちゃんを肩に乗せて自分で走るw

    いやぁ、日本人って割とペットの下僕になるケース、現実でも多いですよねw
    うちでも猫を飼っていた時、うちの頂点に君臨していたのはノン君でした。
  • 青い石さん

    ですよね〜
    ましてや異世界、巨大な虫の世界で、可愛い小動物。
    もう、癒されまくりですね
  • ysさん

    地下世界では働き者です、小動物さん達。(^ν^)
  • ]_・)だって、どう見ても手紙の方が大きい………………
  • くわにゃん

    ピピちゃん『ピピィー!ピピピ(持って行けるのに、僕出来るもん)」
  • …と、自己主張が激しいピーちゃんですが、それがまたてえてえと可愛がられ、仕事を奪う結果となるのでした…(完)

    ※チョッ!(笑)
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