たくさん書いていたせいで気がついたら三話分になったので、一気に更新を入れました。
シスター、悠司、彼らの関係性を見てくれると嬉しいです。
さて。「優しい人」の中で、この文章まずいな、と思ったところがあったので修正を入れました。
たまには文章の話をするのもいいかな、と思ったので修正箇所とその理由なんかを書いてみようと思います。
“思ったところ”、“思ったので”、“思います”、が続くという作家としてあるまじき文章ですが、近況ノートなので許してください(-ω-)
内容はそんな大したものではなくelementaryなものですが、誰かの参考なればいいな、とか思っています。“思う”がこれで四連続ですね。才能がありません。
該当の台詞を抽出します。
「それならまあ……納得いくかな。世界に対してって部分だけは、相容れないが」
「私の言う世界とあなたの言う世界は別物ですから。私にとっての世界はこの教会で、恩を返したいのはここに来る人々。あなたにとっての世界は世の中の全てで、あなたが恩を返したいのはあなたの内側に住む彼ら。私はここに来る人々を救い、あなたは彼ら、そして彼らと同じ境遇にある人々を救う」
「そうか、そういう認識なのか。だから、俺たちが世界を壊そうとしていても止めないんだな」
「ええ。目指しているものは同じようなものですから。きっとあなたたちなら、この教会に来る信者たちも救ってくれると思います」
問題なのは最後の台詞。「〜。きっとあなたたちなら、この教会に来る信者たちも救ってくれると思います」です。
この文章には三重の誤りがあると考えました。
・“思います”の主語が不明。
・“救ってくれる”の主語が不明。
・“救ってくれる”の目的語も不明。
1つ目の問題は、主語の省略はよくあることなのですが、誤読の可能性があるので今回は問題となっています。文脈や状況から主語がシスターであることを読み解くことはもちろん可能でしょうが、ぱっと見たとき“信者たち”が主語のように見えなくもありません。
何故、主語の誤読が生じるか。「信者たちも(信者である自分達のことを)救ってくれると思います(と、私は考えています)」の省略形だと思うと、“思います”の主語は“信者たち”ですね。
なので主語を補う必要があります。
2つ目の問題も同様に、主語の誤読があり得ます。こちらは省略されてはいないのですが、主語に見える部分が二箇所あります。「あなたたちなら救ってくれる」なのか、「信者たちがあなたたちを救ってくれる」のうち“が”を“も”に、“を”を“なら”に変えて「信者たちもあなたたちなら救ってくれる」として(あなたたちなら)を先頭に持ってきているのか、という問題です。主語が“あなたたち”なのか“信者たち”なのか分かりません。
3つ目の問題は上記の問題と被っていますが、救うの目的語が“信者たち”なのか“あなたたち”なのか不明です。これは主語が決まると残ってる方が目的語になるという関係性のため、主語が不明だと自動的に目的語も不明になってしまいます。
2つ目と3つ目の問題は対になっているので、主語を明確にするか目的語を明確にするか、どちらかを行う必要があります。
以上の問題を認識した上で、元の文章をあまり変えずに正確に書き下すならば、以下のようになります。
「きっとあなたたちなら、この教会に来る信者たちのことも救ってくれると私は思います」
“信者たちのこと”に変えて目的語であることをはっきりさせ、“思います”に主語を補いました。3つ目の問題を解決したので自動的に2つ目の問題も解決します。
実際には“思います”を現在進行形の“思っています”にしましたが、大まかに私が自分の文章に対して感じた問題点と、その改善案、実行した内容は以上となります。
ふとここまで書いてて疑問に思ったのですが、“信者たちのこと”と書くと目的語であるのがはっきりする感じはあるのですが、なんでなんでしょう?
“信者たちのこと”という句は一般的には主語にもなりえる気がします。ですが今回の場合は主語に見えなくなる感じがします。
理由が分かんないですね。どなたか解説可能な方がいらっしゃいましたらご教授いただけると幸いです。
ではまた。