尾手メシ

梅雨の始まりを感じさせる湿り気を帯びた冷たい夜の中を、米倉義信は歩いていた。慣れた道を、諦念を抱えて歩く義信は、その道上で鬼と出会う。

林田和成は十字路が苦手なのだという。それは、和成が小学校三年の頃のことだった。

宗一郎は、同窓会のために久しぶりに故郷を訪れていた。懐しの街で思い出されるのは雅紀のこと。あの日、宗一郎は雅紀と二人で辻占を行った。

箱があった。古くから伝わる箱があった。

男が裁判中に倒れた。私は男の罪を知っていた。

普段バスになど乗らない井口が、たまたまバスに乗った。

受付番号は「77」。エレベーターに七番目の患者として乗り込んだ。

極度の近視の谷口。その谷口が、視力回復のために筋トレを始めた。

世界は筋肉で回っている

頭が煮立っている。筆は一向に進まない。締切だけが迫ってくる。

夜のあぜ道で、棒手振りと遭う。

カレーを混ぜるか混ぜないか。それは通すべき筋の問題。

ある男から、新種の鳥類の話を聞いた。さっそく調査に向かったのだが………。

道にぬいぐるみが落ちている。拾ってはならないぬいぐるみが落ちている。

母の形見のテディベア。そこに隠されていたもの。

駅前の本屋での出来事

骨董屋を営む小宮山の元に、ある日、一枚の打ち掛けが持ち込まれた。それを買い取って店に並べたその日、打ち掛けの女が小宮山の前に現れる。

久しぶりの実家暮らしを満喫する智津子。仕事に追われながらも、生活は充実していたが、そこに少しの影が差す。

夏休みの午後。鬼ごっこをして遊んでいた。

四人の大学生が心霊スポットに肝試しに訪れる。

登山が趣味の博志。休日には近所の山に登山に出かけていた。

何でもない日常の帰り道。通い慣れているはずの道のすぐ近くに怪異は潜んでいた。

幸せを運ぶ黒い鳥。綾乃にとってカラスは瑞鳥だった。

いつもの帰り道、乗り慣れているはずの電車が向かう先は。